第17章 0
「………嬉しいのとかはよく分かったけどよ…それがどうしてまたこんな純情乙女の蝶さんになっちまうんだ?」
『…こんなに気、許せた人久しぶりすぎて………こんな、素敵な人が私といてくれてるんだって意識したらなんか…その……ッ』
「……何お前、俺の事口説きにかかってんの?」
『へ……ッ!?何…っ、?』
中也が立ち上がって突然私の体をソファーから浮かせる。
何事かと思って一瞬動揺したが、すぐに中也がソファーに腰掛けて私の体を抱き寄せて能力を解除したため、大人しくなった。
『ちゅ…うや……ッ?…近いって……その、息当たっ…ぁ…っ』
軽く耳にキスされて、全身がゾクリと震える。
それからまた頬に手を回されて、思わず目をつぶって声を出さないよう耐える。
「…なあ、そんなに俺とイチャつきてえの?……そんなに俺にめちゃくちゃにされてえの…お前」
『!!!…ッ、ンンっ……あっ!!!や、んん…ッ、や、なんで弱ッ、の知って…て…ッ、ああ…ッ!!』
我慢どころかいつもより酷い。
後ろから首筋にキスしてそのまま唇でなぞったり、反対側を指で撫でたりされながら結局大きく声が出る。
しかも後ろからされてたら見えないのも相まって、余計に感覚が敏感になる。
「…まあ可愛らしいのに変わりはねえが……そうだな、今これまで以上に可愛かったから褒美にちゃんと食わせてやらねえとな?」
『ふぁ……ッ、?な、何を……ッ!!?…ッ、あ…む……ッンぁ…』
テーブルにおいてあったプリンを中也が移動させ、そのままそれを、飲ませるように私の口に容器を当てて傾ける。
とろりとしたそのプリンは表面の部分を少し崩せばゆっくりと流れてくる…その表面を中也は能力で崩してしまったから。
流れてきた甘い甘いそれを食べなければと本能的に食べ始めるのだが、唇から外に流れるプリン液が冷たくてゾクゾクして……何よりもこんな状況にどこか胸を高鳴らせてる自分がいて、プリンが喉を通る度にゾクッと背筋が震えた。
プリンが無くなれば中也は瓶を元の位置に戻し、瓶が無くなったことで遂に脱力してガクッと項垂れるように力を抜く。
『ぁ…ば、かぁ……ッ……勿体な…じゃ、な………ッッ!!!?』
しかし私の身体に伝ったプリンとカラメルを、中也が舌を伸ばして舐め上げた。
服の上からなのに…中也は後ろなのに……なのに、嫌いじゃない。