第17章 0
大量にプリンを消費してきた挙句に沢山持ち帰り用に買ってきて、それから家の冷蔵庫にプリン達を入れて冷やし始める。
『ね、ねえ中也!今日二人共お休みだよ!明日もお休みで…』
「あ?ああ、そうだな…どうした、どっか行きてえとこでもあんのか?」
『ひえ!!?…い、いやそういうんじゃ……』
「?……まーた何誤魔化そうとしてる?ちゃんと言えたら…そうだな、このプリン今一つ食わせてやってもいい」
流石に残りは夜からだと決めておいた分。
い、今?今食べていいとか…え、今!?
頭の中に思い浮かんだものは脳内から一瞬にして消え去った。
しかし我に返って、プリンの魅力に滑らせそうになった口を押さえる。
『な、んでもな……ッ…プリン……』
「いや、言えばいいだけだろうが」
『……誤魔化してないもん、行きたいところとか…なくって………そういうの、じゃ…』
「………じゃあ何かしてえのか?」
中也に図星をつかれて、素直にゆっくりと首を縦にぎこちなく振った。
しかしそうすると予想外の事態が起こってしまう。
「へえ…何がしてえの?言うのが嫌なら…今してくれてもいいんだが?」
『!!?え…い、まって……ッ!?』
反動的に中也の方を向けばニヤニヤしているわけでもなく真剣そうな目をしていて、しかしどことなく私の様子を見て面白がっているような表情で…
『ぁ…う、あ……や、っぱり何でも…っ』
「素直ないい子にはプリンがあんのになァ?しかもどうせ明日バレるか今日バレるかの違いだろ…いいのかよ?言わねえんならこれ丸々俺が今目の前で食っちまうぞ」
『!!…い、いやでも…』
プリンの入った瓶の蓋を中也が開け、キッチンからスプーンを取ってくる。
それから私の目の前で美味しそうなプリンを掬って、口に入れる。
否、入れようとした寸前に中也はその手を止めた。
私が思わず中也のシャツの裾を握っていたからだ。
「…んで、何がしてえんだって?」
『ぁ……ち、中也…』
「ん?」
『……ッ、…も、もっとね?……もっと…その………………い、イチャイチャ…?し、たい……です』
目を逸らしながら言い切った。
どう纏めればいいのか分からなくてこういう言い方になってしまったのだけれど、素の私で中也と恋人らしい事をしたい。
もっともっと、触れ合いたい。
「…………例えば?」