第17章 0
「俺が教師は無理な話だぜ烏間さん、第一糞餓鬼見てっとイライラして蹴り殺したくなる」
『中也子供嫌いだもんね。特に私と会う前なんか酷かったらしいじゃない?自分も十四だったくせにさ』
「うっせ、お前が絡んでる分にはいいんだよお前が絡んでる分には」
「「「ああ、なんか納得…」」」
皆が想像を膨らませる中、烏間先生だけは首を傾げてそうか?と口にする。
「教育者として素晴らしい方だと思うが…中原さんの影響だって大きいはずだろう?白石さんのこの人間性は」
「あ、そう考えたら確かに蝶ちゃんしっかりしてるし、人が良すぎるくらいに良いよね」
「末っ子っぽいのに誰より大人だよね」
「い、いやこいつはどっちかっていうと元からこうだったから……正直俺の方が学ばされてばかりだよ、それこそ蝶の方が教育者には向いてんじゃねえか?」
『え、私…?』
中也の思いがけない一言にあ、確かにとか言われてみれば、とか言い始める面々。
「勉強でも訓練でも教えんの上手いし分かりやすいし」
『それ皆の筋がいいだけだって』
「今回の烏間先生みたいに大人相手にでも真正面からちゃんと言えるしね〜、しかも子供好きそうだし面倒見いいし!」
『いや、今回のはたまたまで…』
何故か収まらない私の話に困惑していれば、中也がまたそれを膨らませてきた。
「いやお前、俺にも他にも間違ってたらちゃんと説教してくれんだろ。確かに向いて……あーいや、やっぱなしだ教師は。んな事してたらお前絶対ぇ他の奴のことばっかり考えてすぐぶっ倒れる」
「「「あ、無しだわ」」」
『何なのよ皆して…!?』
「やっぱ中原さん流石だね、蝶ちゃんの事ならなんでも見通しちゃってるよ」
「な、無しだろ。後糞餓鬼共にこいつは勿体なさすぎる」
「「「絶対そっちが本音ですよね」」」
何なんだ、しかも何でこんなに皆意気投合してるんだ。
助けを求めようと烏間先生の方に目を向けるとそれに気が付いたのか、目が合った。
「…いや、しかし本当に素敵だと思うぞ、白石さん。誇っていい事だ……それに何より、本当に強い」
「!だろ烏間さん!!強いだろこいつ!」
『なんで中也が喜んで……っ、でも中也の方が強いじゃない』
「あ?異能力取っちまえばお前の圧勝……でもねえな、確かに」
『ね?』
「でも絶対勝てねえ」
『……私も勝てない』