第17章 0
『…ぁ……こ、れしなくても飲めた、んじゃ…ッぁ……♡』
猫とじゃれ合うように項を指でまだなぞる中也は楽しそうで、やめてくれそうな気配は無い。
「MVPには褒美がいるだろ?お前が好きなのは知ってんだよ…なあ?もうここ撫でられただけで可愛らしく鳴くようになっちまってんじゃねえか」
『ぁ…あ……っ、やッ…中也さぁ……っンン…♡』
「中也さんじゃねえだろ?…全く、こんな格好してくれやが……血…?」
『へ…中也……?どうし…ッッ!!?ひにゃ…ッ、ぁ、あッ♡』
レロ、とゆっくり胸元に舌を這わされて、それに想像つかなかったような甘い甘い声が出る。
何、こんな舐められ方した事ない…だめ、感じ過ぎて頭、おかしくなる。
「……お前が血痕残してる所は攻撃を受けた箇所だろ…なんで心臓の真上に受けてんだよ…」
『そ、れはッ…大丈夫な見込みがあった、から当たって不意を……ッきゃうッッ!!!♡』
「こんなに血滲ませといてか?…背中なんか酷ぇもんだ」
ツツ、と指でなぞられて中也に抱きつく腕にガクガクと力が入る。
『や…ッ、遊ばな……っんぁ、は…っぁう…ッ♡』
「…………いや、お前が可愛い反応してくれっからつい」
「「「ついじゃねえよ、白石に何してんだあんた!!!!」」」
『!!!?』
唐突に開けられたテントの外から怒ったような皆が現れる。
それに肩をはねあげてこれ以上に無いほどに顔を真っ赤にさせるのだけれど、隠れる場所も何も無い。
すると中也が私を抱き寄せて、ニヤリと笑って皆に向けて口を開いた。
「手前ら餓鬼にゃあまだ早ぇ話だ…ああ、こいつに下手に触れてでもみろよ、分かり次第……分かってるな?」
「「承知しましたあああ!!!!」」
男子の方からそんな声が響いた。
『な、何の話…?』
「お前はもう少しこの辺でも賢くなろうな?蝶…本当に可愛い奴だお前は、可愛すぎてもう俺は心配で心配でならねえんだよ。髪下ろしてるわこんな格好のまま野郎共の傍にいるわ」
『ああああ中也、頭力入っ……痛…ちょっ、痛!!』
グググ、と頭に力を入れられて、それに唸るようにう〜…ッ、と声を漏らせば少ししてから離してもらえた。
「……とりあえずこれ着てろ、お前も十分目のやり場に困る」
シャツを渡されて、それを受け取ると中也は顔を背けてしまった。