第17章 0
操作室に着けば中はもぬけの殻で、モニターには外された爆弾が。
それと、モニターの一角に血液の移った映像の流れる画面を見つけた。
ゴクリと生唾を飲みこんで恐る恐るそれを見ると、そこには見知った上着と黒い帽子が落ちていて。
そんなはずがない。
違う、たまたま落ちていただけだ。
中也がそんなに簡単にやられるものか。
言い聞かせるように、死神のいるであろう方向へ向かって駆けていく。
たまたまあそこに衣服が落ちてただけだ、そうに決まってる。
迎えに来るって…待ってるって、約束した。
中也が私とした約束を破った事なんか、一度たりともなかったんだから。
たどり着いた先は皆のいる牢…の少し手前。
そこで死神を見つけたのだが、これ以上先に進まれればまた水を流しに戻られるだろう。
そこで、すぐ近くに見つけた地下へと続いていそうな穴。
死神自身を私の元へ移動させ、そのまま掴んで穴の中へと落ちていく。
「な…ッ、白石蝶!!?貴様、何を……っ!!!」
足元に水の少し溜まった場所。
本当に地下水道の近くだったんだ、と納得すると共に何も喋れなくなる。
「…!……ははっ、自業自得だな。知ってるぞ、君は極度の水嫌いなのだろう?触れるだけでも怖いんじゃあないのか?」
死神のその分析は正しく、正確なもの。
だが、それは少し前までの話だ。
『クス、…』
「…何がおかしい?」
『ふふっ、水が…そうね、水ならね?』
「……何を…ッ!……な…何をした貴様!!?」
冷気が漂うのと共に、パキパキとあたり一面が凍りつく。
水?そんなもの、固めてしまえばいいだけだ。
『残念だけど、ちょっと私を相手にするには遅すぎたのよ死神さん…ああ、それともこう呼ぼうかしら?“二代目”の死神さん』
「!!!!」
目を見開いて明らかに動揺する相手にクスクスと笑いかける。
『本当、大した実力も無いのにそうな名前掲げるなんて笑っちゃうわ…死神は貴方みたいな男じゃないわ。彼を愚弄するような行為はやめてちょうだい』
「貴様…まるで何もかもを知っているかのような『知ってるけれど…分かってないのは貴方の方なんじゃなくて?』な、にを…!ハハッ、焦って強がっているのが丸分かりだぞ?中原中也の映像を見たんだろう!?本当に優秀だったよ彼は、なんといっても最後のやられようは___」
死神の喉から血が流れた