第16章 力の使い方
「蝶、お前ちゃんと楽しんだのか?」
『うん、楽しかった!中也のとこ来たらもっと嬉しくなった!』
「……そんじゃ、ちゃんとこいつらに礼だけ言っていけ」
『!皆ありがとう…今日楽しかったよ!くにきらさんも怖かったけどありがと!』
中也がいれば鬼も怖くない。
怒りん坊な国木田さんも怖くない。
「し、白石…なんていい教育をしているんだポートマフィアの中原中『中也中也!今日帰ったらいっぱいぎゅーしてちゅうしてよしよししてね!蝶ずっと我慢してたから』ブ……ッッ!!!?」
「…帰ったらな。そんじゃ手前ら、世話んなった。こいつも相当上機嫌なようだし……ここらで帰「中也」…なんだよ糞鯖」
「…君、間違っても変に蝶ちゃんに当たるんじゃないよ?これは私が国木田君がショックを受けるのと中也がイライラする様子見たさにした事なんだから」
「あ?何言ってやがる手前、俺が蝶に手ぇなんか出すわけねえだろ」
首を傾げていれば中也に手を取られて、そのまま連れられて歩いていった。
事務室を出る所でばいばい、とだけ皆の方に手を振ったら皆、なんだか変な顔をして私に振り返してくれた。
『今日は中也が来てくれたね〜、しかもすぐ来てくれた♪』
「まあな、お前が来んの待とうと思ってたし…んで?お前よ……」
『!なあに?中…………也…っ?』
家に入って靴を脱いで、それからすぐの事。
中也に呼ばれて振り返ってみると、何故だか身体がグラリと崩れて床にそのまま倒れ込む。
痛くはなかった、けど立ち上がるような力が入れられないようにされている。
上から覆い被さるように中也が私に乗ってきて、そのまま鋭い目で私の目を捕らえて離さない。
…あれ、中也ってこんな目してたっけ。
私の事、こんな風にばっかり見てたっけ。
『………中、也…その目、怖い……何考え…………ッ』
お腹の上を指でツツ、となぞられて身体を強ばらせた。
「お前、俺が見てねえと思ってああいう事ばっか出来てたのか?…よりによってあいつなんかに?」
『な、にが…ッ!?や、やだっ!!中也さ…っ、今そういう事しないで!!』
「嫌いじゃねえくせして何言ってんだよ…大丈夫だ、気持ちよくはなる」
中也の指が下りてきて、私の敏感なところの突起を下着越しに指でつつく。
ダメ…その目で見ながらしないで。
その目で私の事、見ないで。