第16章 力の使い方
「さあ、それじゃあそろそろ一度校舎の方に戻「おい蝶!!!お前今日はとっとと終わるんじゃなかったのかよ!!?」…!?な、中原さん……?」
『え、なんで中也ここに来てるの!?今日お仕事って「お前がここで二週間働くっつうから予定伸ばしてたの忘れたのか!?今日だぞ今日、もう全員集まってるっつって俺が迎えに行かされてんだよ!!」へ、今日?今日って……な、なんだっけ?…………ったあ!?』
頭をスパン、とはたかれて、相変わらず痛くはないのだけれど反射的に痛いというリアクションをとってしまう。
「お前なぁ…っ、探偵社の方で誕生会だろうが!!?なんで俺が足にされてんだよ!!俺ポートマフィアの五大幹部な!!?」
『あ…って、本当だ、なんで中也が来てるの?』
「俺が行けばすぐに蝶の奴は帰ってくるだろうからって……あ?じいさん、あんた…ああ、松方さんってあんたか。うちの蝶が世話んなったな」
先程盛大にはたいた頭をよしよしと撫でながら、松方さんに頭を下げる中也。
『ま、待ってよ!中也が謝る必要内じゃない!?どちらかといえばちゃんとしてなかった私の責任で…』
「保護者が頭下げんのは当然なんだよ、お前の事だからもう謝ってんだろ?それなら俺もちゃんと頭下げるくらいのことはする」
「あ、あ?兄ちゃんは………あんま背ぇ伸びてねえな?」
「ああん!!?…って、は?え、待てよじいさん、あんたなんで俺の事まで知ってんだ!?蝶と織田が二人で話を付けてきた相手じゃ…」
「その直後に今みたいにしてこの子のことを迎えに来たのはどこの誰か思い出してみろ」
「『……あ』」
二人揃って思い出した。
いや、それにしても松方さん…中也に身長の話はダメだって。
「んで、何でさっきからお前さんらが頭下げてんだ?」
『え?だってそりゃあ、監督不行きとどきというかなんというか…指導不足な面があったからこうなっちゃったわけですし、最終的な責任は結局私に…』
「一応教える側の立場の人間がしっかりしておけばこうはならなかったかもしれねえしな。まあ蝶が悪いってわけじゃあねえが、その可能性を潰しきれていたとはまあ言いきれねえし」
「二人してなんでそんなに若いのにしっかりしてるのかねえ…おー、保護者さんっつったか?この子は今も昔もいい子だ、前よりもっといい子に育ってる。帰ったらいっぱい褒めてやれよ?」