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第16章 力の使い方


あれからというもの、慣れない仕事と環境の中、あっという間に約束の二週間が過ぎていった。
保育だけにとどまらず、不登校などで勉強の遅れている子達への学業サポート等、それぞれで仕事を割り振ってなんとか上手くこなせたはずだ。

皆心して松方さんが来るのを待っていれば、私が殺せんせーの気配を察知したのと同時に烏間先生が松方さんを連れてこちらに歩いてくる。

やはりというかなんというか、険悪そうな表情だった松方さんだったのだが…

「ようじいさん、二週間分の働きに見合ってるか?」

ログハウス風に大きく増築された託児所を見て、松方さんは文字通り目を飛び出させて驚いた。

「な…何ということでしょう!!?」

託児所で二週間お世話になった保育士さんたちや律から説明が入り、次々と松方さんは新しくなった施設を見て回っていく。

子供たちの遊具を室内に作り、遊具が使われることによって動く度に発電するシステムを組み込んだり…その電気を利用して松方さんの電動自転車を充電することだって出来る。

説明が進むと共に松方さんの表情も緩くはなっていくのだが、それでもやはり気になる所はある様子。

学校に通えておらず、閉鎖的な性格になっていた子供たちの事だ。

しかしそれも表仕事の班が上手くやってくれていたらしく、渚君の担当していた恐らくこの施設で一番面倒を見てきていた女の子…さくらちゃんは、算数のテストでクラス二位を取ってご満悦の様子。

渚君にもベッタリだ。

「…クソガキ共、文句の一つも出てこんわ。もとよりおまえらの秘密なんぞ興味は無い。わしの頭は自分の仕事で一杯だからな…おまえらもさっさと学校に戻らんか、大事な仕事があるんだろ?」

「「「!…はい!!」」」

二週間分の働きが認められた様子。
良かった、これで大きな問題にはならずに済む。

なんて一人で安堵して後ろを向いたその時だった。

「…!……お、おお…そこのお嬢ちゃん…もしや君、蝶ちゃんではないか?」

『!え…嘘、なんで覚えて……』

松方さんに名前を呼ばれて思わず振り向けば、松方さんが私の方に歩いてきて目を丸くしてこちらを見つめる。

「忘れるわけがないだろう!どれだけ君に救われたことか…まさかまた会える日が来るとは!!」

「ち、蝶ちゃん…知り合い?」

「大したことないって…」

そんなに大層な話じゃないはずなのに…
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