第16章 力の使い方
お昼も過ぎた頃、そろそろ今回の計画の設計図が整ってきたところで、私も本格的に裏方作業に専念し始める。
千葉君と一緒に考えた建物の修繕設計図は中々のもの…だと思う。
というか千葉君こういうの得意だったんだ、なんて思いつつやっぱり空間の認識能力に長けてるのかなぁとか、結局は暗殺に絡めて考えてしまう私の頭。
「白石、ここの材料はどうする?」
『あー…伝があるから横浜から持ってくる』
「よ、横浜から!?…え、待てよ、じゃあここで使おうとしてるこれは?」
『それも別の伝があるから横浜から「「「遠いわ!!!」」」い、いいじゃない!ただで分けてもらえるかもしれないんだよ!?ただだよ!!?』
必死に言えば何も言えなくなった寺坂組。
我々学生人に材料を買う余裕は無い。
それに品質も安心安全なルートから手に入れるもの…これ以上にいいものは無いだろう。
「いや、でも横浜からって…ていうかなんでそんなにいっぱいこんな伝があるんだよ!?」
『武装探偵社のお仕事してたら色んな人が色々助けてくれるから』
「「「そうだ、こいつマフィアじゃなくて探偵社員だった…!!」」」
そこか、そこなのか、忘れないでよその大事なとこ。
『じゃあ、とりあえず許可とってみて後は私が何とか手配するから、皆は工具とか塗料とかを___』
「待て待て待て、なんでてめえが全部やろうとしてんだよふざけんなこの野郎。働きすぎだよ阿呆かお前?」
「寺坂にだけは言われたくねえと思うけ「ああ!?」まあ白石がそういう所で頭が足りないのは元からだろ」
『え、待ってなんで私ディスられてるの?』
散々阿呆だのなんだの寺坂君に言われた挙句に千葉君までもが頭が足りないと言い始めた。
私そんなに阿呆の子じゃないはずなんだけど。
「考えてもみろよ、今回お前、迷惑かけた俺らに手伝わされてるだけだろ。それがそっちに全部任せっきりじゃあダメだろ普通」
『ダメじゃないでしょ別に、連帯責任って言葉が「だから、せめて運ぶのくらい手伝わせろっつってんだ!!引っ込んでろ非力チビ!!」なッ…!?少なくとも寺坂君よりは力あると思うけど!!?』
「「「チビには反論しないんだ…」」」
「いいから一人でするんじゃねえよ!お前それでまた無理でもして倒れられたらこっちがかなわねえ………一応足だってあんな状態だったんだ、危なっかしいんだよ」