第15章 大切な人
『な……っにこれ……ぇ…ッ、?ちゅ、やさん…?』
「どうした蝶!?どこか具合でも悪『ひぁ…っ!!?や…ッ』!!?」
私を心配して肩に触れた中也さんの手に思わずビクビクッと反応した。
な、何これ…知らないような知ってるような……?
「……体の状態は」
『ぁ…熱……い…のと、ドキドキする……』
「…………悪い、俺が注意深く見てなかったせいかもしれねえ…多分それ一部の部下と梶井のせいだ」
『ふえ…ッ?……にゃ…ッン……ち、ちゅう…やさ……っ』
ゾクゾクする。
自分ではどうしょうもないくらいに……今までに使われたことのないくらいに強力な薬。
いい加減何を盛られたのか自分でも分かるようになった。
「なんで誕生日ケーキに催淫剤なんざマジで盛りやがったあいつら……!!!」
『ぁ…ッ、ふ、くやら……っ、脱がせ「お前今日脚痛めてんだろうが、出来るかよんな事…」!!………で、きるもん…ッ、ギブスあるから痛くな……んんッッ…!!!』
そのギブスが脚に擦れて、座っているのに脚がガクガクして堪らなくなる。
姿勢を保っているのも辛くてテーブルに突っ伏すようになるのだけれど、それはそれで肌への接触面が増えるだけでそれにもゾクッ、ゾクッと身体が跳ねる。
『ぁ……らめ…ッ、これらめ……!!』
「なんで催淫剤にとことん弱ぇかなお前は……ッ、ちょっと待ってろ、食いもん片付けるから」
『……ッ、ケーキもうちょっと…』
「催淫剤入りケーキなんかこれ以上食うんじゃね……!!!?」
意地で切り分けられた分だけ食べきった。
中也さんの手作りケーキをみすみす逃してたまるものか。
ただしその代償として、恐らく梶井さん特性の高性能催淫剤と思わしき薬の影響を、ただでさえこの類の薬に耐性のない私がもろに受けてしまうことになる。
『!!!?ぁぅ…ッ、ぁ……!!!』
「ああもう言わんこっちゃねえ!!!」
すぐさまテーブルの上を片付けた中也さんは異能で私を浮かせたまま寝室へと連れ込んだ。
『や…っ、異能やだぁ……中也さんがいい…ッ』
「けどお前触ったら…覚悟しとけよ」
『……ッッ!!?…ひ…っぅん……〜〜〜ッ!!!』
「効き目抜群かよ…なんつうもん作りやがる梶井の奴」
ベッドに仰向けに寝かされて、中也さんは私の顔を覗き込むように顔を寄せた。