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第15章 大切な人


「ほら、いいからとっとと履き替え…なんだ?俺に履き替えさせてほしいとでも言いてえのかお前?」

「「「!!?」」」

『ふえ!!?…ち、中也さんが……ッ!?』

「中也さん、もうそのへんにしてあげて。本当に照れてるやつだからこれ、本気で間に受けちゃってる純粋ちゃんだから」

カルマの言葉にようやく冗談かと気が付いて顔にさらに熱が集まる。

しかしここで問題発言が。

「あ?何言ってやがる、俺は別に構わねえんだぞそのくらいのこと…今日は特別蝶の言う事を聞いてやる日だからな」

『あ…』

「?蝶ちゃんの言う事を……って割と聞いてなかったっけ、中原さん」

寧ろいつも聞いてるよな、うん、常に、などの言葉が聞こえる中、中也さんの背にゆっくりと腕を回して、顔を埋めるようにギュウっと控えめに抱きついた。

「!蝶…?」

『……今日、来なくていいって言ったのに来た罰。蝶の言う事五日は聞いて』

「罰って…お前、それ俺からしてみればすげえ褒美みてえなもんなんだが?」

『!!か、からかわないで下さい…もう……っ、き、着替えてきま…着替えてくる!』

中也さんの所からパッと離れて、そこから小走りになって保健室まで移動する。
周りのほとんどがポカンとしていた中、中也さんだけは嬉しそうに微笑んでおう、と返事をしてくれた。

『……なんでサイズと厚さまで知ってるんですか、中也さんの馬鹿…』





「さあて野郎共…見たか?手前ら絶対ぇ見てたよな?な??蝶の脚」

「はい!!破れたところからだけ綺麗な素足が露出していて、思春期の俺達には刺激が強すぎました!!!」

「ようし、そろそろ覚悟しておけ岡島、手前今日は殴る、絶対殴る」

「すんません!!!興奮とか全然してないっす!!!」

「蝶の生脚見とい興奮しねえとかほざいてんじゃねえ!!!!とっとと歯ァ食いしばれ!!!!」

「「「どう答えてもアウトなんじゃねえか!!?」」」

……非常に入りづらい空気。
なんだここ、教室だよね、何してんのあの人。

「蝶…白石蝶………美しい女だ」

「ああ!!?手前…は…………初めて見る顔だな?……そうか、手前が堀部イ『!!イトナ君!!?』んなッ、蝶!?」

色々あってやっと思い出した、そうだ、今日からイトナ君が登校するんだった。

中也さんの横を抜けようとしたところ。
首根っこを捕まえられました。
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