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第15章 大切な人


「白石さん!!!どこかお怪我は!?ああああ想像もつかないような危険そうな所からよくぞ学校に……って!!!なんでそんなにタイツが破れてるんですか!!?」

『へ?破れて…?……あ』

「「「なんで気付いてないんだよ!!?」」」

教室に入れば案の定殺せんせーは号泣しながら私を見るのだけれど、そこで指摘されて初めて気が付いた。
う、嘘だ…なんでよりによってこれが破れて…

思い返してすぐに気が付いた。
そうだ、さっき盛大にやらかしたばかりじゃあないか。

木から落ちて枝でやられたんだ。

『ちょッ…み、皆こっち見ないでよ!?あ、足見られ慣れてないからああ!!!』

思わずその場で座り込んで、スカートを引っ張って必死に隠す。
しかし少し短いこの制服では、十分に隠すだなんてことは到底無理な話。

「し、白石?見られ慣れてねえって…いや、出してていいんだぞ?寧ろ出そうぜ。俺らのために」

『待って岡島君、悪意しか感じないんだけどその言い方』

「いやいや、皆が幸せになれるし白石は恥ずかしがり屋を治す訓練にもなるだろ??だから、試しにタイツだけ脱いでみろって!」

『え、えぇ…ッ……な、治る…?確かにもう履いてても意味は無さそうだけど…』

ちらりと近くにいた前原君の方に目線を向けるも、いい顔をしてぐっと親指を立てられるのみ。
これは……まさか本当に恥ずかしがるの、治る感じ?
もしかして本当に効果ある感じ??

『……ん…な、なら…』

「「おおおお…!!!!」」

女の子達からも止められるような気配は無いし、中村ちゃんや不破ちゃんまでもが親指立ててるし…

仕方なく、もう半分ヤケになったような状態で、恥ずかしさも何もかもを忘れるようにスカートの内側に指を滑り込ませる。
そしてそこにもう使い物にならなくなったタイツを引っかけて…

「え、待って蝶、ここで脱ぐの!?」

「まじか!!やっぱ白石はすげ____」

そのまま脱いでしまおうとしたその時。

『ん…?な、なんか上手く脱げ________ッッ!!?っ、たぁ…!!』

「うおおおお!!?なんだいったい!!?」

「蝶!!?何、今凄い声……が…!?」

頭に猛烈な勢いで、何か非常に硬いものが飛んできた。
フライパンかと思うくらいに硬いそれに涙目になりながら上体を起こすと、背後からとんでもなく黒いオーラを感じた。
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