第3章 新しい仲間と新しい敵と…ⅰ
「愛の力、ねえ……中原さん関係のものと見た」
にやりと口角を上げる中村さん。
「蝶ちゃん中原さんのこと大好きだもんねぇ」
倉橋ちゃんなんてただ純粋に可愛い笑顔でそんな事を言うものだから、たまったもんじゃない。
照れる。
『…この銃ね、中也さんからのプレゼントなんだ。プレゼントっていう形でもらった物の中では、初めてもらったものだったの』
「プレゼントが銃とかどこのやばい組織だよ」
吉田君の鋭い突っ込みに苦笑いを浮かべる。
横浜のやばい組織です。
『元々はただの護身用だったんだけど、私の戦闘スタイルに合ってたし、中也さんからもらったこともあって銃ばっかり使ってたんだよね。そしたら、一番得意になっちゃってた』
「それであんな風に撃てねえよ普通」
『あはは…でも、私が銃を満足に扱えるようになるまで使い込んでるのは、結局はやっぱり中也さんのおかげだよ。この銃で何かを失敗した事なんてないしね?負けるわけにはいかないから』
「気合入ってるねえ、今日は頑張っておくれよ?かっこいいボディーガードさん!」
中村さんに肩をたたかれる。
こういうの、初めて…友達に頼ってもらえる事が、褒めてもらえる事が、喜んでもらえる事が、私の嬉しさになって返ってくる。
初めて出来た私の友達。
何があっても絶対に守り通してみせる。
「蝶ちゃんの勇姿観察させてもらうよ。あ、写真撮って中也さんに送ろっかな」
『え、なんでカルマ君中也さんの連絡先知ってんの!?』
「勿論知らないよ?でも調べる方法はあると思……う、嘘嘘、落ち着いてよ」
『私の許可なく中也さんの個人情報調べる人は、男の子でも容赦しないからね』
「「「肝に銘じときマス」」」
『あ、そういえば殺せんせー。この固定砲台、多分BB弾の回収機能とか付いてませんけど、これは私達で片付けるんですか?』
殺せんせーに話をふる。
「そうですねぇ、こればかりは仕方ありません」
『そうですか、片付けも生徒が……うふ、今日はやりがいのある一日になりそう』
片付けも、教室全体に散らばるBB弾だなんて、馬鹿らしいにも程がある。
そんな手間はかけさせない。
ただ優秀なだけの機械なんかに、皆の時間を削られてたまるもんですか。
「蝶ちゃん…?」
散らかって片付けが大変なら…____落ちる弾が一箇所に集まるように相殺すればいいだけ