第3章 新しい仲間と新しい敵と…ⅰ
『っと、ごめんね皆、授業の時間取った』
くるりと振り返って淡々と言う。
独断行動や授業の時間を取ったのは悪いとは思っているが、何分今私は相当頭にきている。
人の命は…それを奪うようなものは、なんにも知らない、知ろうともしないような人達が軽く扱っていいものじゃないんだ。
私はそれをよく知っている。
色んな人を失ってきたから。
中也さんからもらったこの銃を使っている以上、私は負けるわけにはいかない。
絶対に負けたくない、銃の実力だけで事を終わらせる。
「い、いえ、先生としてはとても助かりましたが……それにしても凄いとしか言いようがなかったですね、さっきの銃撃戦は」
殺せんせーが口を開いたと同時に、皆もザワザワと話し始めた。
「そうだよ、凄かった!それに助かったよ!」
カエデちゃんが最初にこちらへ寄ってきた。
それに乗じて皆こっちに寄ってくる。
「二丁銃が体術よりも得意って本当だったんだな、末恐ろしいぜ…」
「てかなんで全部相殺出来んの!?相手六丁でこっち二丁だよ!?」
「ボディガードでもあんな芸当出来る人普通いねえだろ」
「かっこよかった…惚れた」
『待って最後なんかおかしい』
笑いが溢れる中、真剣な様子で話し掛けてきたのは千葉君だった。
「いや、でもよくあんなの全部撃てたよな?六丁と二丁とじゃ、普通に考えてかなり不利なはずだろう?」
ああそっか、スナイパーのスタイルが合ってるんだっけこの子。
『まあ、まず一つは銃だね。これは私個人の銃で、それに合わせて烏間先生にBB弾作ってもらえるようお願いしたし。速射性と弾速はかなりのものなはず』
「あ、ホントだ!それ修学旅行の時も一応持ってきてたやつだよね」
少し興味があったのか、片岡さんが銃に見入っている。
『うん、で、二つ目は慣れだね。この二丁の銃に関しては、多分この世で一番私が理解してるはず…ずっと使い続けてるから』
「年季入ってそうだもんな、テクニックとかすげえどころじゃなかったし」
前に見せていたからか、前原君もまじまじと見ていた。
『最後に挙げるとしたら……愛の力は最強って事かな♡』
二丁銃を持ちながら両手で頬を抑えて顔の赤みを隠す。
考え出しただけでも心がデレデレだ。
「「「愛って!!!」」」
皆は一斉にガクッとしながら突っ込んだ。
『何、どうしたの皆して、怖いよ?』