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第14章 わからない人


「んで、なんでカルマと担任まで……?あ?なんで俺担任って呼んでんだ?」

「何故って…中原さん、貴方白石さんがいるじゃ『!!やめて!!!!』し、白石さん!?」

『中也さんに変な事吹き込まないで!!!…っ、変な事、言わないで……ッ』

もう言っていることが滅茶苦茶だ。

「い、いえ、そうは言われましても…わざわざ髪を染めてまで中原さんの前に出るのを躊躇っていたんです、貴女の性格上躊躇うまでならともかく、中原さん相手にどうして髪を!?」

焦って全部、言ってしまった。

「……は……っ?」

「ちょっ…、殺せんせー!今中也さんにそういう話は…っ」

髪を染めている事…私がE組の生徒であること。
私が、以前からこの人と面識があったということ。

それらが全部、知られてしまった。

「ちょっと待て、どういう事だ…今こんだけ必死に怯えてる奴が俺に会うために髪の色を変えた…?しかも国家機密の手前を知ってるって、E組の人間って事だろ……っ?」

中也さんの確認するような、少し震えたその声に更に何故だか恐ろしくなった。

「カルマ、手前何か知ってるだろ…さっきの言いぶりからしてみても、手前とこいつがやけに親しいってのも気になる。……首領も、俺に何か、隠してませんか…?」

恐る恐る中也さんは二人に確認をする。

しかしカルマは何も言えずに躊躇ったまま。
そして首領が私の方に向いて言った。

「………言ってしまえばいいじゃないか。…君がそこまで責任を感じる必要は無い…っ、もう我慢するのはよしたまえ」

『首、領……っ?な、何を仰ってるんです……私は、別になにも我慢なんてしてないですよ…?大丈「君がそこまで怖い思いをした時に中原君に甘えられなくてどうするというんだ!?」!!!』

私の事を考えてくれた言葉。
中也さんの事だけ考えてくれていればいいのに、この人も…きっとカルマも、言えと私に言っている。

中也さんの方に目線を上げると、中也さんも私にゆっくりと目をやった。

「お、お前は…何者だ……?なあ…っ、何なんだお前は!?俺はなんでこんなにも会って二日目のはずの人間を相手に心配する!?なんで、こんなに……っ、素直に、心から綺麗だと思う…ッ?」

「「!!!」」

悲痛そうな中也さんの心からの叫びに、私は結局逆らえなくなった。
髪の色素を抜ききって、真っ白になって、顔を俯かせた。
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