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第13章 愛ゆえに


窓もカーテンも締め切って、カメラや盗聴器の類が無い事も察知してから扉を作る。
今考えてみても本当に良かった、カルマのところでなら使ってももう驚かれないし、安心して使えるから。

『先に私が入るから、合図したらこっち来て』

「了解」

薄く扉を開け、隙間から中を覗き込む。
いつものルートを通って行けば警戒されてる可能性があるため、今回は逆に裏をかいて…

『ビンゴだね、やっぱり…“カイさんの執務室”なら今は誰も警戒してない』

見張りの気配もないし大丈夫だよ、と声をかけると、カルマ君も扉を越えてくる。
扉を消したらやはり白色の蝶が少し輝いて舞ってしまったため、やはりここは注意しなければならないところ。

『入っちゃえばこっちのものよ』

「うーん…ねえ、スーツでも着て黒服さんとかになりすました方がやっぱり良くね?」

『私とカルマの身長じゃ怪しまれてすぐにアウトよ。出会った人から口封じしていくのが一番手っ取り早い』

「はいはい、怖いこと言わないの。壁に閉じ込めておくだけでしょ」

『そういう事♪』

質を変えれば外に音が響かないようにも出来るし、迷彩機能を施すことだって経験のおかげで容易にまでなってる。

それに私はこの拠点を知り尽くしている身なのだから、失敗するはずが無い。

「でもさ、それならとっとと医務室に行った方が早くない?」

『それで中に入ったのがバレた瞬間に大勢に囲まれたら面倒でしょ?だから先に動ける人員を潰しておくの』

「閉じ込めておくね、了解」

『そうとも言います』

ポートマフィアの中で血を流す気は毛頭ない。
だって私の目的はそんな事じゃないんだから。

「…どうなっても知らないよ?俺一応止めておいたからね?」

『結構結構。中也さんが無事に目覚めただけでも十分だって』

「まあどうせバレちゃうだろうから仕方ないけど…」

迷彩機能を取り入れた壁に隠れながら移動する。
こうするだけで監視カメラの目は簡単に欺ける…まだ誰にも見せていなかった奥の手だ。

中也さんにすらこの手段を見せたことはない。

道行く中で見張りについてる黒服さんたちに気づかれないように少し大きめの防音の壁を展開して閉じ込めていく。

これで気づいた時にはもう動けないだろうから。

『ここだけは絶対に邪魔させないんだから』

「……」

『ほら、あともうちょっとだよ』
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