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第13章 愛ゆえに


『う、うん?でもなんでそれがいいのかさっぱり…しかも探偵社まで揃ってそんな?私、一応横浜の方に家もあれば社員寮もあるんだけど』

「乱歩さんが色々と特定した結果、とりあえず蝶は暫く横浜には行かない方がいいんだってさ。それに相手は蝶を足止めできるまで俺ら他の生徒には手は出せないし、寧ろ俺のとこにいる方が安全なんだって結論」

『!…確かにそれはそう、かも……』

「うん。荷物は向こうの人達がもう入れてくれてるから、とりあえず今日はうちに来てゆっくり__」

『____私、邪魔になっちゃってないよね…?』

ポロ、と出てきたのがこれだった。
素直に思ったことだった。

「…なんで?」

カルマ君が目を見開いて聞き返す。

『横浜からって…なんかそれ、もう関わるなって言われてるような気分になって。……戦力外か、いたら他に被害が出ちゃうのか、それかそろそろ鬱陶しくなって…』

「そういうのは無いよ、絶対に。皆蝶の事考えてこういう判断になった…中也さんはまだ目が覚めてないらしいし、しばらくは医務室に『嘘吐かないで、カルマ君』え……っ?」

カルマ君の目を見つめて、思わず冷めたような目を向けてしまう。

『嘘、吐かないでいいから。…私そういうの見抜くの得意なの、カルマ君は上手い方だけど………中也さん、目覚めたんじゃないの?』

「!!」

『それで何か都合が悪い事でもあったとか…私が中也さんに会わないようにって工作しようとしてるんでしょう?』

私の予測はどうやら図星だったらしく、言い当てられてカルマ君は何も言えないようになってしまった。
この子も上手い、だから首領はカルマ君に言ったんだろう。

だけどごめんなさい、中也さんが絡んだら私、大体のものには敏感に気付いてしまうから。

『………カルマ君がいいんならお願い、首領と乱歩さん…あと多分太宰さんだね?その案に乗ることにするよ』

「!本当に…?」

『うん、本当に。……でも、中也さんの事で私にはっきり伝えてくれないなんてちょっと寂しいじゃない?だからさ…』

思いついた事を悪戯顔で言い切った。
首領だって私の性格上、中也さん絡みのことで大人しくしておくだなんて思ってはいないだろうし。

「……!?ちょっ…、それ本気で言ってんの!?」

『私が中也さんの事で冗談言うと思ってる?今からするよ』

「しかも今から!!?」
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