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第13章 愛ゆえに


『今日の朝の事話したでしょ、しつこく椚ヶ丘にまで来ようとしてた中也さんを無理矢理横浜に置いてきたって…それに、中也さんが襲われる直前に熱を移したの。あれさえ無かったら、中也さんならこんな事にはならなかった』

「うん…他には」

『…相手、の人さ……っ、そもそもが私の敵なんだ…?私の事狙えばいいのに、中也さんにそこまでするなんて…中也さんの判断力と行動力が鈍ってる時にされるなんて、思わないじゃない』

それもポートマフィアの内側から。

『生きてくれてただけ奇跡だよ…あんなのされて生きてる方が普通おかしいくらい』

「……事情は大体察したけどさ、それ蝶ちゃんのせいじゃなくね?」

なんで?と小さく聞き返せば、立原と広津さんの護衛についての話から始まった。

「あの二人が付いてきてるのは蝶ちゃんに何かあった時に対象できるように…で、蝶ちゃんがなんで狙われてるかっていったらさ?そこ崩さなきゃ、殺せんせーを殺せないって相手側が判断してるからなんでしょ?」

相手が死神だとか、そういうことは話していない。
けれどもなぜ護衛がついているのか…そして相手は真っ先に私を潰しにかかるだろうと、伝えられる部分はちゃんと皆に伝えた。

『そう、だと思う…』

「じゃあそれ、別に蝶ちゃんのせいじゃないでしょ。まずはそこから考え方変えようよ、今日中也さんが椚ヶ丘にまでついてこようとしたのもたまたまだし、ケイドロやろうなんて言い始めたのだっていきなりだったんだからさ」

『………でも「はい、でも禁止。蝶ちゃん悪い癖だよそれ?」!…だ、だけどさっき映像確認したらさ…私が作ったケーキ食べて、いきなり様子がおかしくなってたの』

多分毒か何かを盛られていた。
それしか想像がつかない。

『でも私、中也さんに毒なんか盛らない!!中也さんに渡すまで、そんなもの絶対に!!!』

「それは周りが分かってる。それに中也さんが一番よく分かってる…ポートマフィアの拠点内のどこかで盛られたんでしょ。そこは蝶ちゃんのせいでは絶対にない」

『だ、けど…私が今日ちょっと豪華に作ったとか言ったから体調悪いのに食べて…』

「あの人は蝶ちゃんが作ったものならどんな時でも残さず食べるような人でしょ」

大丈夫、蝶ちゃんのせいじゃない。
運が悪かった、色々と偶然が重なった。

それだけの事…それだけの事____
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