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第13章 愛ゆえに


誰か…誰かB型はいないのか……

頭の中に過ぎる人達は皆頼めるような相手ではない。
探偵社もダメだし学校なんて絶対的に頼めない。

病院もダメでポートマフィアはもう足りない…恐ら組合戦の時に一気に血液のストックを使ってしまったんだ、
かなりの人数が負傷して、かなりの人が亡くなったから。

そしてそこでふと気が付いた。
中也さんの傷はもう塞ぎきった。
後は入れてしまえば出ないのだから、そこまでの量が必要なわけではないはずだ。

そして段々と頭の中に思い浮かんだ単語から、考えが広がっていく。

そうだ、組合戦…組合だって、今の私にとっては心強い信頼出来る人達じゃあないか。

誰かいなかったか。
B型…私と同じ血液型の人……

そこまで辿り着いて、ゆっくりと首領の方に顔を向けた。

『首領…一人……もしかしたら来てくれるかもしれない…っ』

「!誰だい!?すぐに連絡を……って、頼めるような相手なのかい?未成年はやめておいた方がいいし、出来ることなら中原君と同じくらいの…………?中原君と同い歳のB型…って……」

『そう…!!組合の!!!』

「!!!すぐに連絡するんだ!蝶ちゃん、携帯は持ってきているかい!?」

コクリと頷いて、少しだけ見えた希望にまた滲んだ涙を手で拭って、中也さんの方にまた戻りながら電話をかける。

こんなお願いのために電話をかけるなんて、嫌に思われるかもしれない。
だけど今は、そこしか頼る宛が無かったの。

お願い、どうかこんな私に幻滅してもいいからさ…中也さんだけは助けて下さい。

「もしもし蝶ちゃん?どうしたのこんな時間帯に電話なんて、今なんかなら学校じゃ…」

『もし、もし…ッ、お願いが、あって……』

「!どうしたの、様子が変だけど。出来ることがあるならなんでも言って」

相変わらずの心の広さに涙した。
溜まっていたものが吐き出されるような、そんな感覚。

胸の内に込み上げたものが涙と一緒に溢れ出す。

『中也さん、が襲われ…て……っ、血が足りないのッ、こんなお願いでごめんなさいっ!!でも私ッ…』

「中原君が襲われた!!?今どこにいるの!?」

『ポートマフィアの拠点…来てくれる、の…っ?』

「当たり前でしょ!?今喫茶店だから待ってて、近いからすぐに行く!!」

感謝しかなかった。

『!!…っ、ありがとう……ッ、トウェインさん…!!!』
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