第13章 愛ゆえに
それを接続すればパソコンにウインドウが現れて、この世界では存在しない言語を取り扱ったプログラムがいくつか出現する。
烏間先生のパソコンでそれを扱えるように今だけはなんとか自分を落ち着かせ、しかしそれでも迅速に処理を完了させる。
するとディスプレイに大きなウインドウが開かれ、そこの中には四つの映像が大きく映し出されていた。
そしてそれを見た瞬間に、心臓が握りつぶされるかのような苦しさが私に襲いかかった。
『…………う、嘘…なんで…っ?なんで!!?』
「白石さん、この画面は?いったい何が移って…!!!?」
バタバタと足音を立てて入ってきたのは立原。
広津さんはまだ状況を説明しているらしく、外にいるという。
「蝶!!首領に繋がったぞ!!!」
『!貸して!!!』
立原から半ば無理矢理携帯を受け取って首領に代わってもらう。
「もしもし蝶ちゃん?突然立原君から連絡があって、蝶ちゃんにかけてくれと頼まれたって…」
『首領!!!今すぐ拠点内の警備装置を全部解除して……っ、それで、急いで向かって!!担架持って行ってとりあえず血液だけ!!!あれが鳴ったの!!!』
「!!!分かった、すぐに手配する!!」
本当にすぐに電話を切って、首領は恐らくこれからそう動いてくれる。
…こうなったのなら覚悟を決める。
遅れて職員室に来てくれた広津さんから電話を代わってもらえば、そこで出たのは太宰さんだった。
「蝶ちゃん?広津さんから、えらく取り乱した様子で電話をかけてと頼まれたって聞いたんだけれど…」
『……良かった、出てくれたのが太宰さんで。…………私、今日で探偵社辞めます。ごめんなさい』
「は…っ?え、ちょっ!!?」
無理矢理、通話を切って携帯を広津さんに返した。
私の発言に何も言えなくなった三人を置いて、パソコンから顔を背けて再び校舎から走って外に出る。
「ちょっ、待てよ蝶!!!てめえいったい何する気だ!!?」
私を心配してか他の皆の視線もこちらに刺さる。
こんな状態になってじっとなんてしていられるか。
手を出して、そこに沢山の蝶を舞わせる……否、舞わせた。
パシ、と手を立原に取られて、作り終える前に扉は消える。
『……っ、何するのよ!!?』
「てめえこそ何しようとしやがった!?今ここでんなもん使ったら、隠してきた意味がねえだろうが!!?」
