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第13章 愛ゆえに


珍しく強気な事を口にした蝶…が、しかしやはり時間も時間。
キスして寝るのは最早癖か、癖なのか。

「お前…ああくそ、可愛いこいつ…!!」

起こせねえ、起こせるわけがねえ。
何故かというと、それはとてもとても簡単なことだ。

「起きんなよ…………よっしゃ可愛い」

異能を悪用して携帯を手に取り、気持ちよさそうに安心しきって眠る蝶を連写する。
撮り終えてからガッツポーズ、俺はやったぞ男中原、蝶のこんな寝顔普通見れねえ。

それと同時に酷く心が罪悪感に苛まれた。

ごめんなさい蝶さん、でもその愛らしい表情を、どうか俺のような者のパソコンに納めさせて下さい。
そしてどうか俺のような者の仕事を捗らせて下さい、疲れた時に癒して下さい。

半ば崇拝にも近い思いを募らせながらすぐさま仕事用のパソコン宛に写真を送り付け、自分の携帯内でフォルダ分けして鍵を掛けた。

キスして寝ちまった時の蝶さんの表情といえば、それはそれはもう…

「……くっそ煽られるわ俺」

自身を無理矢理鎮めて、そういう方向に意識が向かないようにと煩悩をようやく消し去った。

写真に納めてる段階で煩悩だらけだとかそういう事は気にしてはいけない、気にしたら負けだ、男が廃る。

流石に寝ている相手にする趣味はねえし、何よりようやっと意識を逸らせたみてえだったし、このままそっとしておくのが一番だろう。

そしてそこまで考えて、今度こそ蝶に対して心の底から謝った。

足引っ張らねえように、なんて言って、結局本人よりも俺の方がビビってる。
それが喫茶店でも、恐らくさっきも伝わっちまった。

不安になった、だから余計に焦って、最後までしてもいいかと口にしてしまった。
それを予想以上にあっさりと頷いたこの少女はなんと優しい人間だ…なんて俺想いな奴なんだ。

自身のコンプレックスももうそこまで気にはしなくなっていたらしく安心したのと同時に、それとは別でまだ慣れていない少女の聖域の感触が手に思い起こされる。

いけるか?
処女はどうすりゃ楽に受け入れられる…どうすりゃ、せめて三本目くらいまで痛がらずに入れられる。

初めてな上に相手の身体は中学生だ、それも俺と同じく、周りより少し小さめの。

ゆっくり慣らしていくしかねえけど、もしかしたら時間がねえのかもしれねえ。

もしも本当にそうなのならば、女としてのこいつと一つになっていたい
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