第13章 愛ゆえに
「悪い…もう少し二本で慣らしてからにしよう」
『ぁ、ッうあ…っああ、あ…ッ』
二本の指がナカを押し広げるように入ってきて、広げるように壁を押す。
『や、っ…拡げちゃいや、ぁッ……あああ…っ』
「えらくヒクつき始めたが…物足りねえの?」
『そうじゃな……っっ!!!?』
今度は中也さんの指が、ナカをかき回すように動き始めた。
時折一定の感覚で攻められる弱いところに反応して、ナカを大きく動く指に悶絶する程の快感を与えられる。
高められていくこの感じ…ダメだ、こういう攻められ方をすると…
『く、くる……ッ、ぁ…、ちょう…だいっ、そこ、好きぃ……ッッ』
理性の糸がはち切れた。
夏休み中にだってここまではいかなかったのに。
恥ずかしいことされて気持ちよくさせられて、悦ぶ身体になっちゃってる。
「そこって、ここ?」
『ひぃあッッ!!!?』
かき回すのをやめて、弱いところを集中的に攻められ始めた。
静かな雰囲気とは真逆で、指は全然穏やかじゃない。
「もっと欲しい?」
『あ、あああッッ!!これ、いじょ…っらめッぇ……っっ』
「了解……もっとだな」
『ちが…!!?ああっっ、あ…ン~〜~~〜ッッッ!!!!!』
ダメって言ったのに激しくされて、意地悪したくせして優しくキスされて、気持ちいいのか嬉しいのか幸せなのか恥ずかしいのか、全部入り混じって分からなくなってきた。
『ぁ、ぅ…っ、はぁ…う、…』
唇を離されるのと一緒に久しぶりに唾液を飲んでから、クタリと脱力して天井を仰ぐ。
「可愛い顔しちまって…綺麗だ」
『ひぁ…ッ!?言わないでっ…言わないで、ぇ……っ』
「なんで?感じちまって怖ぇから?」
『な、んで分かっ…』
「綺麗だよ、蝶」
すかさず言われた言葉に、中也さんの声に、感じさせられる。
ブルブルと震える腕で必死に中也さんにしがみついて、ビクビクする。
綺麗だよ、とか…普段そんな口調で言わないくせに。
そんな、優しい言い方しないくせに…
『ぁ…ちゅ、やさん……っ』
「…またキスしてえの?」
『ん…』
「……誰に似たんだかな…」
脱力した膝をベッドに下ろして座り込むと、中也さんが私の頬に手をあてて、慈しむようにキスをした。
誰に似たなんて、そんなの貴方が一番分かってるでしょうに。
『………親に似たの。後好きな人に』