第13章 愛ゆえに
『そこまで不安に思ってるわけじゃないの、そんなにころっと死ねるんだったら、とっくに私は死んでたと思うし』
「まあ、じゃなけりゃ今頃こんな風に俺にいいようにあしらわれてはねえもんな」
カップを片付けて中也さんの元に戻ると、小さい子を落ち着かせるようにまた背中を撫でながら、片手を頬にあてられて親指でそこも撫でられた。
少し擽ったくなって口をつぐんで目を閉じると、その手は動き方を変えて首筋に触れる。
『ん…ッ、それ…は……っ』
「嫌?」
『………っ、ちゅう…し、てくれたら…っひゃぅ……ッ!!』
途切れ途切れになりつつ言えば、中也さんの唇が私の首筋にすいついた。
それからピチャ、と音を立てて、撫でるようにそこを撫でたり軽く吸ったりを繰り返す。
『ぁ…ッ、ふ、ぅ……っ♡……っはぁ…ッ、は…』
甘い声が漏れて、それと一緒に膝から崩れ落ちるようにガクッと下に下がろうとした。
それを中也さんは片腕で軽々と受け止めて、私を横抱きにして歩き始める。
「好きすぎ、そこ」
『中也さんのせい…』
「違いねぇ………何か、お強請りしておく事は?」
『………死ぬんじゃないかってくらいして…下さい』
何も余計な事を考えないように。
何も、違うことに意識を削がなくていいように。
愚かな考えだ、下らない考えだ。
愛がいらないわけじゃない。
けれど、不安な時くらいこういう事があったっていいでしょ…?
「了解。なら、今日は頑張れよ」
『ん…』
ベッドに寝かせられるとチュ、と軽くキスされて、何度も何度も角度を変え、そう触れられる間に寝間着の裾を上げられていく。
ベッドライトだけになった薄明かりの中でも中也さんの顔は色っぽくて…大人で。
『……っ、ぁ…』
「…何?早くしてほしい?」
『い、じわる…ッ』
「焦らしたらお前可愛いんだから仕方ねぇだろ」
下着の上からそこに触れる中也さんの指にドキドキするのと同時に、まだかまだかとむずむずする。
物足りない…そんな感覚でいたところで、中也さんの指が下着の上からそこを撫でた。
『ッ!!?』
「…ほら、お前これだけでも可愛い反応してくれんだよ」
思わず震える足に、自分がどんなお願いをしたのか今更ながらに気が付いた。
下着に指をかけられたかと思いきや、中也さんが突然、私のそこに口を付ける。