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第3章 新しい仲間と新しい敵と…ⅰ


朝、太陽の眩しさに目を細めながらも意識を覚醒させると、俺の隣に蝶はいなかった。

「…蝶!?」

俺の隣にあいつがいない事が恐ろしくて。

思わず大きな声で叫んでしまった。

『あ、中也さん起きました?ごめんなさい、先に目が覚めちゃったので…中也さん?』

冷や汗が伝う。

よかった、蝶がいる。

部屋の扉からひょっこりと顔を覗かせるそいつは、何故だか少し恥ずかしそうにしていた。

「そうだったのか…何してんだよそんなとこで」

『い、いえ!!あのっ…ご飯を、作ってて』

「飯?……ってまさかお前料理したのか!?刃物も火も危ねえからやめろよってあれだけ言って」

『いや中也さん、私もうちっちゃい子じゃないですから』

餓鬼も大人も関係あるか。
蝶にもしもの事があったらどうしろってんだ。

『料理くらい出来ますよ…折角中也さんに愛妻弁当作ったのに、そんなに怒らなくたっていいじゃないですか』

朝一からなんという発言を投下するんだ、この中学生は。

「いやいやいや、愛妻弁当って俺達まだ結婚してな……じゃなくて!!弁当だと!?」

“まだ”と言ってしまった点については、勢いで誤魔化す。

『え、はい。お弁当…お昼ご飯、外で済ませるより栄養あるかなと思って、作っちゃいました!ダメでした?』

何を思ったのか、伏し目がちになってシュン、と萎れたような蝶。
癒される……じゃなくて。

「ダメなわけねえだろ…寧ろその、さんきゅ」

『!…中也さっ』

「よし、折角蝶が作ってくれたんだ、朝飯もゆっくり味わって食わねえとな!食器出しとか並べるの位は俺にもやらせろ」

『はいっ…えへへ、』

なんだよ、嬉しそうにしやがって。
心の中でもそうやって素直じゃない事を言う俺だが、朝っぱらからやってくれるぜ蝶のやつ。

調理させるのはやはり気は進まねえが、どうやら作られる側というのも悪くはないようだ。

これからは毎日作りますからね!
なんて言いつつ、自称愛妻弁当を包む少女に向かってふと漏らしてしまったあの言葉。

「……天使か」

『………ちゅ、中也さんのデレ期!?』

「どうした蝶、幻覚でも見てるんじゃねえか?多分何か聴こえてても幻聴だぜ、安心しろ」

『ええ、幻覚!?…人生甘くないなぁ』

これで納得すんのかよ、と驚きつつも心の底から安心した。
これでもし首領相手なら、絶対何か言われてる
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