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第13章 愛ゆえに


立原の声にう、と唸るような声を出すと、カルマ君が携帯を取り出してああ、と何かの文面を私に見せる。

「それなら俺の方にも連絡来てる。お昼ご飯のメニューの食べる順番と食べるの嫌がった時の対処法と、デザートの保存方法と中也さん不足になった時の対処法と…倒れそうになる直前の癖とか熱ある時に好きな飲み物とかゼリーのメーカーとか、何回中也さんの名前出したらどれくらいのレベルの中也さん不足度なのかとか「分かった、もういい赤羽。てめえが俺らよりあの人から苦労させられてるってことだけはよぉく伝わった」これでまだ一通目なんだからびっくりだよねぇ」

一通目と言うカルマ君にキョトンとして目を向けると、先程述べられただけの説明がまだメール一通分の半分にも満たない量だと教えられる。

「それがまさかまさかの、合計八通!愛だねぇ」

『何それ親バカ……親バカ…』

「はいはい、作るの頑張って中也さんに完成したやつ見せてあげるんでしょ?見たら中也さん、きっといてもたってもいられなくなってもっと蝶ちゃんのことばっかり考えちゃうようになるね」

『本当!?頑張ろカルマ君!!中也さんびっくりさせて私で頭の中いっぱいにするの!!』

趣旨がずれてる?関係ない。
殺せんせーの暗殺計画よりも中也さんだ。
殺せんせーの暗殺は頼れる皆がなんとか出来るけど、中也さんはどうしようもない。

考えただけでも今回の計画がもっと楽しみになってきた。

「そうだね、蝶ちゃんと茅野ちゃんが頑張って考えてた計画だし、中也さんもすっごい楽しみにしてると思う」

『完成したら写真撮って送るんだ♪あと、ちゃんとちょっとだけお皿に盛って中也さんにも食べてもらうの♡』

「す、すげえ赤羽の奴…自身の株を上げつつ確実に蝶のテンションを上げていってやがる。中原さんのマニュアル恐ろしいな、マジで何もんだよあの人」

「蝶ちゃんが相手だからね、中原君を上手く使えば…まあ、あの子は純粋で一途な子だから……」

「ちょろいって言いてえんだよな、分かるぜジイさん…それにしても上手ぇよ赤羽」

立原と広津さんの声が薄らと耳に入りながらも、今日の分の作戦の成功を楽しみに旧校舎が見えるところまで辿り着いた。

するとそこには一足早く来たカエデちゃんの姿が。

『おはよ!今日だね!!』

「蝶ちゃん!おはよう、今日だよ!!」

「『巨大プリン作り!!!』」
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