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第13章 愛ゆえに


「い、いや見んなっつっても…いい眺『何言ってんですかもう!!?ちょっと今身体動かせないから、お願いだからリビングに戻って下さい!!!』!どっか痛めたのか!?どこ打った!!」

戻ってもらうどころかこちらに寄ってきてしまった中也さん。
しまった、完全に逆効果だった。

少し強めに打った肩と腕…打ち身に対処するのは時間がかかる私の身体では、このくらいの打ち身になると治すのにだいたい半日はかかる。

多分変な捻り方をしてるのだろう、動かそうとしたら痛い。

『い、いからとりあえず戻っ……ッた…ぃ』

肩に触れられてつい情けない声が漏れる。

「左肩か…腕もだな……?おい、どうした?脚の方もどっか打ったのか」

中也さんに痛くないように身体を支えられて、上体を起こしたのと同時にシャツを右手で思いっきり下に伸ばす。

身体が震えるのは決して寒いからでも痛いからでもない。
そんな事よりも恥ずかしい…明るいところで見られるのが恥ずかしい。

『打ってない…ッから、見ない…で……っ』

「見るなって、もう下着隠れてっし見てねえだろ。なんでんな恥ずかしがって…」

『ち、違…脚、嫌……っ…今明るいからぁ…!!』

言ったのと同時に、は?と目を点にする中也さん。
脚の方に目をやられて、そちらに視線を感じてビクリと身体を震わせる。

「あ、脚ってお前………え?脚…?」

『…素足、見られるの恥ずかし…から……』

「まさかそれが理由で夏にも寝る時以外は黒いの履いてたってのか…?」

『……あんま、人に見せる事無かった…し、制服のスカート短いから…ろ、露出が激しいっていうか』

「オフショルダーのトップスやら胸元広めに開いてるサマーニットやら着てた奴がそれで露出が激しいとかどういった理屈だよ」

中也さんの質問にうぐ、と声をつまらせる。

『だ、だってそれは………い、色仕掛け??』

「色仕掛けだあ!!!?」

「ち、中也さんに意識してほしくてその…で、でも脚出すのだけはやっぱり恥ずかしかったから…」

「俺かよ!!?まんまと堪能させてもらってたよこの野郎!!!」

そういえば夏場に半袖着てんのも制服くれえだなとか無理矢理納得するように中也さんは騒ぎ続ける。

…ちょっとでも女の子だって意識してもらいたいじゃない?

「待てよ、まさかお前…」

『な、何…?』
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