第13章 愛ゆえに
「何回見ても惚れてるわ、見る度お前に惚れてってる」
『そ、ういうの本当にいいから…っ!な、何も今言わなくったって「ちゃんと伝えとかねえとお前が苦しくなんだろが」……も、ういいから』
「はっ、やめてやっかよ。俺のお前に対するしつこさは世界一だって認めさせてやる」
『もう十分すぎるくらいに認めてるよ!!何なのしつこさが世界一とか、そんなストーカー今まで見た事無いんだけ「ストーカー…?」こ、ここの世界での話じゃないからぁッ!!』
半泣きになって逃げる手段として携帯に入った通知を思い出し、それがあるからと無理矢理中也さんから少し離れてメールを確認する。
すると送り主は三人で、一人は烏間先生から早くよくなるようにという挨拶、一人はカエデちゃんから色々と、そしてもう一人は竹林君からのお礼だった。
竹林君と個人でやり取りすることなんて普段無かったから、少し驚いたのが本音。
「ナイフを渡された時は驚きましたが、今日の全校集会にて活用させていただきました。あんなところで瞬時にメモまで添えて背中を押してくれるとは本当にびっくりだったけど、心の底から感謝します、ありがとう。早く体調を治して下さいね…これからもE組でよろしくぅ?……って竹林じゃねえか!!?」
『人のお礼の文章音読しないで中也さん!!!』
「いや、お前が嬉しそうな顔してっから…竹林のメールでなんでんな嬉しそうなんだよ!?」
『竹林君のも嬉しかったけどにやついちゃったのはカエデちゃんのやつ!!二人で練ってた計画そろそろ実行に移すって事らしいから楽しみなの!!!』
そこまで説明してようやく勢いを沈めてくれた中也さん。
この人、相手が男の子だったからって過剰に反応しすぎでしょ。
「二人で練ってたって……!あれか!お前ら二人が私情を挟みまくった計画!!」
『確かにそうだけど!!…あ、明日から始めるんだって。椚ヶ丘だとシルバーウィークも最後の方は登校日になるらしいから、それに向けて…?』
そうかそうか!と嬉しそうにして、私の頭をわっしゃわっしゃと中也さんが撫で回し始めた。
「お前が友達作ってんな楽しそうにしてんの見たら俺まで嬉しくなってきた…そんじゃ、とっとと風邪治さねえとな!最悪俺に風邪のウイルスだけ移してでも楽しんでやってこい!」
『絶対移さないからね!?移させないでよ!!?』