第12章 夏の思い出
分かってた、力を抜いて舌を柔らかくして、中也からの刺激を素直に受け止めれば私も相手もこれ以上ないくらいに気持ちよくなれるものだって。
最近なんかじゃ触れるだけのものの方が多くて今日が久しぶりの舌への刺激。
しかし中也がキス魔であるということで、する回数が少なくなっていたといってもかなりしてきていたのもまた事実。
流石の私だって、ゆっくりと時間をかけて舌で解されて、キスで気持ちよくさせられた瞬間に気付いてしまっていた。
これは本来、力を抜いてするものなんだって…そうするのが正しい方法で、そうするのが一番気持ちいい刺激になるものなんだって。
だけど私の変に敏感なこの身体…何が怖いかって、そんなものは決まってる。
『……知らない、から…っ、こんな感じるの、知らない、から……私の身体、他の女の子と違って変でしょう…っ?敏感、なの…感じ過ぎるの、おかしくなっちゃうの…』
「………確かに、こういう経験がねえのにここまで敏感なのは普通ねえわな。…そんなにすげえ感じてんのかお前」
少しそんな風に触れられただけで反応してしまう身体。
敏感なんてものじゃない、特にこの人に触れられたら、他の人にされるのとは全然違って…
『中也さ…にされるの、好き……だけど、身体本当におかしくって…』
「まあ、俺も経験があったわけじゃねえけど…ナカに指入れて擦っただけとかクリ弄っただけで潮吹いたりとか、胸弄っただけでも、すげえ時はキスしただけでもイッてんもんな」
中也の言葉に身体をビクつかせて硬直させると、単に不思議に思っただけだから気にすんな、とまた撫でられる。
そうだ、今更この人がそんな事で私を嫌になったりはしない。
今更身体が普通と違うところがみつかったところで、この人の中では大した事ではないのだから。
「俺だって誰かとした事があるわけでもねえけど、そんなに特別すんのが上手いってわけでもねえと思『それはないと思う…』そこははっきり否定すんのかよ」
『…敏感、過ぎるのもやだ……』
「……俺にとっちゃ可愛いもんだが、お前結構それがコンプレックスだったりするもんな」
『!!気付いてたの…?』
見てりゃ分かる、と優しく微笑まれる。
こういう顔されると安心しちゃう。
多分、それも分かってる。
『せめて他の人に触られても弱点にならなかったらいいのに』