第3章 新しい仲間と新しい敵と…ⅰ
『まあ、私が中也さんの事嫌になるだなんて絶対ありえませんけどね』
「蝶ちゃん!分かっていたけれど物凄く悔しい!…あいつ、こんな可愛い子の事振ったりなんかたら次の日の太陽拝めないと思いなよね」
『わ、私に告白する勇気なんかありませんからっ……それに、まだまだ意識してもらえてなんてないでしょうし』
「そうかい?口には出さないだけで、君はとっても魅力的だと思ってると思うよ?めげずに、やりたい事や甘えたい事があれば何でも言うんだ」
あれ、これ中也さんにも言われたような…
「遠慮しちゃだめだよ、あいつは蝶ちゃんに頼られるのが嬉しいんだからさ。…あんなやつの為になるような事なんてしたくもないけれど、蝶ちゃんには好きな事を好きなだけして、笑顔でいてほしいからね」
『そ、ですか……はい、そうします』
はにかんでみせると、うん、と言って頭を撫でてくれ、そろそろ中也さんの元に行くよう促された。
「じゃあ、またこっちに泊まることがあれば言っておくれ!また明日!」
『はい、また明日!』
太宰さんの隣の部屋…中也さんの待つ私の部屋へ扉を作って、太宰さんにさよならした。
「ほんっと、羨ましいなぁ……蝶ちゃん泣かせたら私が承知しないからね、中也」
探偵社、太宰さんの部屋と続いて、またもや天井付近から飛び降りる。
そう、さっきまでのは、全てこの為の予行演習だったのだ!
『中也さん!ただいま戻りましたあ!』
荷物がなくなって手の空いた私は、両手を広げて中也さんに全力ダイブ。
「うおおおお蝶!!?」
胡座をかいて座っていた中也さんのところに飛び込めば、彼は私の勢いに負けて後ろへと体を倒す……かと思いきや
「ったく…危ねぇだろ、怪我でもしたらどうすんだよ」
中也さんとぶつかる直前に重力操作で勢いを弱められる。
しかし、良い具合のところで止められたため、中也さんの胡座の中にストンと着地し、今とっても中也さんの顔が近くにある。
髪、相変わらず綺麗だし、目も凛々しい。
肌も綺麗で、時折眉間に寄せる皺も相変わらずだ。
なんて中也さんに見とれて、うっとりと彼の顔を見つめ続けた。
「あんな勢いで飛んで気やがってなぁ、お前にもし何かあっ……たら…………っ、」
一瞬、目が合ったかと思うと、すぐさま中也さんが仰け反った。
『中也さん……?』