第12章 夏の思い出
顔に熱を一気に集中させて、口が閉じられなくなった。
「…蝶ちゃん、男と交際するというのはそういう事だ」
「ジイさんまで蝶に何教えてんだよ!!?こいつ初心なんだからもうちょっとさり気なくだな!?」
『ぁ…っ、わ、私そういうつもりでお付き合いしたんじゃなくてええと「おい、お前何を想像した?それ、何想像してやがる?」え、告白にはいって返事するのって、そういう事して下さいって言ってるって事なんじゃ』
「「それは違う!!違うから安心しろ!!!」」
中也さんに聞かれて混乱したまま答えると、違うと揃って口にされた。
よ、よかった…そういう事なら私はなんということを口走ってしまっていたのかと。
「てか幹部、六歳児には流石に手出すのやめてやりましょうよ。絶対ぇ痛いですって、普通に考えて無茶ですって」
「だからしねえっつってたんだよ今!!!俺がそんな奴に見えんの「蝶相手なら」こいつにんな事出来るか!!?よく考えてからもの喋れ!!!」
『……ぁ、その…っ、い……よ?』
再びピタリと止まる空気。
「いいって…何が」
中也さんの問いに、流石に人前で言えるような事ではないので耳打ちをする事にした。
『したいなら、してくれていい……中也さんにならされるの、好き』
言うだけ言って離れて、目を逸らして口をつぐむ。
「お前何なの、俺の事生殺しにすんのがそんなに好きか、天然サディストか」
『…?…痛いの、やだよ?』
「「ぐあ……っっ!!!」」
何故か頭を抱えて悶絶し始める中也さんと立原。
流石におかしいと思って広津さんに顔を向けるも、とりあえずカイさんを回収するということで拘束し始める。
「…立原、な?こういうことしてくんだわ、分かるか」
「ふぁ、ファイトっす…これはキますね普通に。よくもまあこれで最後までせずにいられ……中学生に見えねぇ蝶さん強ぇ……!!!」
突然広津さんに両耳を塞がれ、立原の声が聞こえなかった。
すぐに広津さんは私の耳から手を離して立原を軽くベシッと叩き、カイさんと一緒に連れていく。
「失礼…蝶ちゃん、中原君の気持ちを察する面もありはするが、嫌な時は嫌だとはっきり言うように。中原君も程々に……身体はまだ十四歳の女の子なんだから」
「!わ、分かってるって広津さん!!無理はさせねえよ!!」
『は、はあ…』
「それではまた」