第3章 新しい仲間と新しい敵と…ⅰ
『じゃ、じゃあ行ってきますね?』
「ああ。それにしても物少ねぇな、今週末にでも買い物行くぞ。」
『ああもう、あんまり見ないで中也さん!!行ってきますからね!!』
中也さんを荷物と一緒に外で待たせる訳にもいかないので、社員寮の私の部屋に到着した。
仕事上、探偵社についてくることもあまり良くないだろうから、私の部屋……なんだけど、恥ずかしい。
中也さんがあまりにも恥ずかしく分析をするから、ついつい勢いで探偵社への扉を作り、出ていく。
「ち、蝶?」
取り残された中也さんが青くなっている事に気が付かずに。
『たっだいま戻りました〜!!』
「わっ、蝶ちゃん!?」
「白石!何故そんなところから!!」
「わあ、おかえりなさい!」
中島さん、国木田さん、賢治君がいい反応をしてくれた。
何を隠そう、私は探偵社事務局の天井から降りてきたのである。
「ち、蝶ちゃ……ん、…」
中島さんの真上に。
『あれ、中島さん?…おーい?』
中島さんの胸の上に座り込む形になっていたので、少し腰を浮かして彼の顔を覗き込んだ。
中島さんは武装探偵社での私の初めての後輩だったため、個人的には凄く可愛がっているのだ。
「白石…どいてやれ、小僧が死ぬぞ。その…」
「蝶、あんたそれ以上そこにいると、敦があんたの色気に殺られちゃうよ?」
国木田さんが口ごもっていた時、与謝野先生がそう言った。
『え、色っ!!?……あ、ごめんなさい中島さん!重かったですよね!?』
色気と言うワードにびっくりして一瞬フリーズしていたが、中島さんが窒息しそうな気がしたので急いで退いた。
色気?私に色気なんて、あるの?
与謝野先生の言葉が頭の中でループする。
国木田さんも少し頬を赤らめてこっちを見ようとしないし、中島さんも顔に熱が集まってるみたいだし…
困って与謝野先生の方を向くと、こちらに気が付いてくれたのか、話を続けてくれた。
「あんた今、社じゃ珍しいことにスカート履いてるしねぇ?それに、スタイルも見た目も良いし、何より愛嬌あるからね、色気なんていっぱい」
「与謝野先生!!」
国木田さんが話を遮った。
しかし今の私にはそれどころではない。
「国木田君って本当空気読まないよね、見てみなよあの子を」
「空気……っ、て、白石?」
色気……ある?
女らしくなってる?