第3章 新しい仲間と新しい敵と…ⅰ
自身の舞い上がりと恥ずかしさと格闘しながら、何とかクレープとアイスをクリアした。
今日は本当に何なの中也さん、前までこんな事無かったはず…食べさせてもらったりだとか、関節Kissになるようなこととか…
手を繋いでいるまま歩いているため、中也さんにその気が無かったとしても、本当にデートをしているような錯覚に陥る。
今私、中也さんのこと独り占めにしてる。
こんな幸せ、私が感じてもいいのかな。
『あ、…ねえ中也さん、私あの店寄ってもいいですか?』
指差して見せたのは、カエデちゃんお勧めのプリン専門店。
「またプリン食うのか?確かに美味そうだけど」
『こ、今回のはお土産用ですから!』
でも本当に美味しそう。
いや、さっきまで散々食べてたでしょデザートは。
中也さんとの相乗効果で更に甘く蕩けるような気分で……って変態か私は。
「土産?探偵社の分なら午前中に結構買ってなかったか?」
そう、探偵社の皆さんの分は確かに今日の午前中に買っていた。
しかし、個人個人へのお土産ばかりだったため、何か社全体へのお土産も買いたいと思ったのだ。
『あれはまあ、個人的なものなので…会社へのお土産も買いたいなって』
「そうか」
社員と事務員、社長の人数分入ったプリンを一箱と、あとは二つずつ入ったプリンを三箱購入。
さり気なくまたお金を払おうとする中也さんだが、今回ばかりは私のお土産なのでと言うと引いてくれた。
そして、もう一つ考えていたけど中々言い出せなかった事を、思い切って聞いてみる。
『あ、あの中也さん……私一応、探偵社の皆さんの分個人でお土産買ったんですが、その……だ、太宰さんの分のお土産がいまいちピンと来なくて』
「太宰だと!?」
突然の大声にびくっとしたが、まあ彼の反応としては妥当なところだろう。
「あ、いやすまん。……ああ、あいつにならあれでよくねえか?一緒に渡してやれば泣いて喜ぶだろ」
中也さんの指差した方向にあったのは…
『あ、麻縄…』
「俺からの土産ってことで渡しといてくれ、買ってくる」
珍しく太宰さん絡みの事なのに生き生きとしている中也さんを見て苦笑いを零した。
『……本当に買ったんですねそれ』
「ああ、勿論だ。絶対渡しといてくれよ」
『は、はい……ちゃんと中也さんからだって言っときますからね?』
「ぐっ…」