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第1章 蝶と白


「じゃあ、内緒ってことにしておいてあげるよ。代わりに、白石さんの 能力について、教えてくれない?」

上から目線になられてるのは気に食わないけれど、能力については言ってもいいか。もう体験させちゃったしね。

『いいよ。私の能力は、簡単に言えば、空間を操る事が出来る能力なの。空間を操るっていうのは、まあ色んな使い方があって…例えばさっき赤羽君に使ったやつとか。』

「扉を開いたら他のとこに行けるやつ?」

『そう。目の届く範囲なら、瞬間移動が出来る。……こんな具合に。』

今の間に能力を発動した。
移動した先は、いつの間にか赤羽君の隣に座ってた太宰さんの膝の上。

『目で見えないところに行くには、蝶で白い扉を作らなくちゃいけないけどね。因みに、想像した場所や人物の所に行けるから、居場所が分かってない人の所にもすぐ行ける。』

「おお!蝶ちゃん!さては私と心中__」

そしてすぐさま元の位置に避難。

『しません。』
「びっくりしすぎて信じられなかったけど、本当にあるんだ、異能力。」

異能力か……私の場合はちょっと違うんだけどね。

『後は…防御壁みたいなものを張ったり、自分だけじゃなくて色んな物の配置を入れ替えたり、まあまあ便利だよ。』

赤羽君がお茶を飲み終えたのを確認して、ソファから立ち上がる。

『さ、赤羽君。そろそろ体育終わる頃だし、戻ろっか?』

「ええ〜!もう行くのかい蝶ちゃん!?」
「五月蝿いぞ太宰!白石にだって仕事があるんだ!貴様も見習って仕事をしろ、仕事を!!」

国木田さんの怒号が響き渡る中、赤羽君はうんと言って、私が創った白い扉を開いた。

「!……今度は校舎の山の麓か…登るのやだな〜。」
『一応能力隠してるんだから仕方ないでしょ。まあ、頂上までなら見えるし、連れてってあげるけど。』

『じゃあ、一旦戻りますけど、すぐ帰りますね。応急処置だけでもしに戻るので。』

そう言うと目を見開いた太宰さんと国木田さん。
私が何をしようとしてるのかがわかったみたいだ

「ちょっとまて白石、それは__」

言われる前に扉に入った。

「…良かったの?国木田さん、何か言いたそうだったけど。」
『うん、いつもと同じ事だから大丈夫だよ。ほら、私の腕掴んでて?飛ぶよ。』

何も考えないふりをして、赤羽君と戻ったのは、丁度チャイムが鳴ったのと同時のことだった。
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