第3章 新しい仲間と新しい敵と…ⅰ
皆と別れてから、宣言通りに中也さんを堪能し尽くしていた。
「蝶、お前…まだ食えんのか?」
既にプリンとケーキとパフェを食べ終わった私達。
次はクレープの番だ。
『はい、全然食べれますよ!久しぶりの甘いものですし、久しぶりの中也さんですから!』
そこまで言ってはっとした。
確かに私にとって、デザートと言うものはこの四年間で食べていなかったものであるし、中也さんと一緒というのが何よりも嬉しいのだ。
しかし、私に関して妙に過保護な部分が見え隠れする中也さんなら、ちょっとした一言でも空気を重くしてしまいそうな気がする。
「そうか……なら今日は好きなだけ食おう」
『え、でも中也さんもうお腹いっぱいなんじゃ』
「死ぬ気で食う」
『中也さん、?』
何故か熱くなっている中也さんの思考は相変わらず読めないが、暗くなられたみたいではなくて安心した。
クレープを購入して食べようとし、重大な事に気が付いた。
『ち、中也さんごめんなさい!私奢ってもらってばっかりになっちゃって、ちょっといいお値段してますよね!?』
そう、今の今まで子供の頃の様なノリで普通に奢ってもらっていてしまったが、よくよく考えるともう私だって中学生。
それに、もう探偵社での稼ぎだってちゃんとある。
なんということをしてしまったんだ、これじゃあ全然ただの子供じゃないか。
「あ?んなこと気にしてんじゃねえよお前は。黙って俺に甘やかされとけばいいんだから」
なんて言いつつスプーンを私から取ってクレープを食べる中也さん。
『甘やかされとけって……てえええ!!』
本日二回目だよ中也さん!
なんで貴方はそう簡単に関節Kissを…私を殺す気ですか!
「どうしたんだよ蝶、半分こしてもいいんだろ?」
『そ、そっちじゃなくってその、スプーン私の、…』
口をぱくぱくさせつつ言うも、やはり中也さんには効果なし。
「蝶のスプーンだろ?なら俺が使う分にはいいじゃねえか。……つか、話変えんなよ。」
『だ、だって!』
俺が使う分にはいいじゃねえかって!?
どういう事ですかそれ!
「だってじゃねえよ。俺がしたいから勝手にしてんだ。……お前の前でくらい、恰好つけさせろっての。」
『んっ!!?』
今度は中也さんから、これまた本日二回目のあーん(withクレープ)
恰好つけさせろってなんですかそれ!!