第11章 縁というもの
「首領はいきなりもう俺にガチの長期休暇命令出しちまうし、本当にあの人らしい」
『…中也さん、明日何するの?』
中也さんの外套の袖を掴んで歩き始める。
「あ?…あー、考えてみれば何も思いつかねえな。とりあえずお前の仕事が終わるまでどっかブラブラほっつき歩いとく」
『それ、またどこかで女の人から言い寄られたり「しねえよ」じゃあ可愛い子見つけ「いねえだろ」…』
当然のように即答する中也さんに、寧ろ疑念を抱き始めた。
ジト、と中也さんの方を見上げていると、向こうも気付いたようでなんだよ、と声を出す。
『私みたいなの相手に可愛い可愛い言うくせに。女の人から注目されてても気づきもしてないのに』
「気づく必要あんのかよそれ?別によくねえか、どうでもいいし…てか俺の中でのその定義はお前だから仕方ねえだろ」
『定義とか……き、興味無いのはいいけど…気になるもん』
ピタ、と中也さんの足が止まる。
それにつられて自然と私の足も止まり、中也さんが私に視線を落とした。
「気になる?何がだよ」
『……中也さんが色目使われてるの想像しただけで殺意湧いてくる』
「お前のそれよく分かるけど危ねぇからやめような」
『しなければいいんでしょ、しなければ。…そんなに私小学生に見えるかな』
自分の頭に手を乗せてみる。
そもそもこの背が問題なのだろうけれど…こればかりはもうどうしようもない。
十八くらいにもなれば百五十くらいにはなるだろうとみているのだけれど、そこまでの道のりもかなり遠い。
あと三年…と声を漏らして、ハア、と溜息をつく。
「三年……んなもんすぐだろ、気にすんなって。あと小学生にそんな凶器は付いてねえから、嫌でも小学生には見えねえよ」
凶器?と首を傾げると、着痩せしてるからバレにくいだけだろ、とすまし顔で一言。
『…………堂々とセクハラ発言するのやめません?』
「わざわざ小さく見せたくてサイズが合ってねえやつ付けてる奴が何言ってんだか」
『何!?ダメなんですか!!?ちゃんとしたの付けろって「俺といる時は是非そうしてみて欲しいもんだな」明日からそうしてあげますよもう!!!』
学校行く時とかは絶対ぇダメだぞと釘を刺される。
この人最近堂々とこういう事言うようになってきた…絶対好きなんだよ、実は好きなんだよ。
『…どんなのがいいんだろ』
「ブッ!!」