第3章 新しい仲間と新しい敵と…ⅰ
「中原くん、遂に君も…!」
『で、でででデート!?あの中也さんが認めたって、ええっ!?』
「え、食べ歩きみたいなものなんじゃ…」
私と首領の期待は打ち砕かれた。
で、でもめげない。
だって相手は、何を隠そう鈍感モンスター中也さんなんだもん。
『食べ歩き…否定はできないのがもどかしい』
「甘いもん食わせるって言ったからな。何か食いたいもんねえか?」
あ、そっか。
そんな事言ってたな確かに。
『えーっと…アイスとパフェと、ケーキとクレープと中也さん』
「「「ぶっっ」」」
首領、中也さん、そしてまだ解散していないから周りの子達が吹き出した。
「ちょ、蝶ちゃん?ちょっとそれは多すぎるんじゃないかしら?」
「そ、そうだよ!それに、なんならそこのプリンも追加しておいて!」
「神崎さんも茅野っちもそこじゃないから!!」
矢田ちゃんのツッコミがうまく決まってるっぽい。
『多いかな?でも中也さんと二人で半分こしたいし…プリンも食べよっかなぁ…』
「だからそこじゃないってば」
何だかんだ、修学旅行直前あたりからちょこちょこ話すようになった前原君が説明してくれる。
「あのなぁ、無意識か?量が多いのは確かだがな、その…中也さんを食べるって言ったんだぞ今、お前」
『え、うんそうだけど?』
そう返すと皆してその場で滑って転ける。
「ち、蝶ちゃん?わ、私、流石にそれはまだ早いと思うよ!?キスする迄なら許すけど、食べちゃうのはまだ早いと思うよ!?」
「首領もなんてことを!?」
『だって私中也さんも堪能したいんですもん、折角のデートなんですし、中也さんを楽しむのが一番ですから、私にとっては』
そこまで言えば何故かおおお、と関心の声が上がる。
しかし、どこかでひそひそと会議のようなものまで始まっていた。
そして一番驚いているのは中也さん。
「そう、…か、好きなだけ楽しめよ、折角首領にいただけた休暇だ。再会祝いだしな。」
微笑みながら言う中也さんにハートが撃ち抜かれる。
そんな中、視線を感じて周りを見てみると、皆してぼーっと中也さんを見ていた。
女の子たちはもちろんの事、何故か男子諸君まで顔をほんのり赤くさせて中也さんのことを見て……って、
『ちょっと、中也さんは私のなんだからね!渡さないんだからね!?』
かっこいいのはわかるけどさあ!!