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第11章 縁というもの


英語に訳してそこに和訳を私が付けてまとめたデータ。
依頼人リストの中に…それもオンライン上でやり取りされたもので、一番新しいものの中に、あってはならない名前が載っている。

「警戒しておくべき名前?」

『はい。そもそも暗殺者への依頼を暗殺者が出すだなんて、おかしな話なんですけど…』

ちょっと待って、と話を止められる。

「依頼人の方に、暗殺者がいるのかい?暗殺の依頼だよね?」

『そうなんです。それで、本物なのかどうかも疑わしくてその依頼人のコンピューターに入り込んでみたんですが……まあ、本物…というか、風の噂で聞いたことのある“二代目”かと』

二代目?と顔を顰める首領。
異国の暗殺者についてさほど詳しくなくっても、この名前を聞けば、この界隈の人間であればすぐさま反応するはずだ。

首領のコンピューターのディスプレイで、その名前の場所を指で指す。

すると首領も顔を強ばらせて、冷や汗を一つ垂らした。

「………成程、これは何やら、厄介な子達を招き入れてしまったらしい」

『日付けを考えてみると恐らくこれでしょうね。そしてそのレベルの依頼となると、私に向けて仕掛けられていたあの盗聴器にも納得がいきます』

「!では、あの三人が横浜の担当である、と?」

首領の声にコクリと頷く。

『三人の方の狙いはほぼ間違いなく私でしょう。殺す…とまではいかずとも、何かを仕掛けてくる可能性はあります。とりあえず他の誰かにだけ何も起こらなければ…』

「蝶ちゃん、その…本当に間違いはないのかい?あの三人の狙いが、殺せんせー暗殺のための君の足止めだってことと……君を足止めしたがっているのが、あの“死神”だってことは」

首領が口に出しても、よく分かってはいないのか、立原は平気な様子。
まあ、この人は暗殺専門じゃあないし仕方ないか。

『うちの天才名探偵と、太宰さんとも今日話し合ってきましたけど…そこは間違いないだろう、と。あ、あとその死神は死神じゃありません、勝手に跡を継いでる弟子…二代目です』

「二代目…弟子って蝶ちゃん、もしかして君知ってるのかい?死神の事」

『………生前に少しだけ。でももう彼は死んでしまったと聞きました。それにこの二代目の手口からは、彼のようなものが感じ取れない…私からしてみれば、本物の足元にも及ばないものですよ』

「これは驚いた…立原君、広津さんを」
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