第11章 縁というもの
「もうちょっとすぐにギブアップすると思ってたけど、お前恥ずかしがり屋だもんな。悪かったよ、感じやすいお前からしてみたらかなり焦らされてたようなもんだろ?」
『な…ッ、何考えて……』
「いや、食欲なさそうだったからちょっと欲求不満にさせてやれば食欲出るかなってな。人間の三大欲求を利用して食わせられねえかと思ったんだよ」
人間の三大欲求…何それ、聞いたことある気はするけどそんなに知らない。
「食欲と睡眠欲と……あと性欲」
『性欲……って、まさかッ!?』
「お、流石頭良いだけあるな。そういう事だ……お前は俺に、わざと切なくさせられてたんだよ」
三大欲求のいずれかが不足していると、どれかを満たすことによってそれが満たされる事になるらしい。
そのせいなのかなんなのか、確かに私の身体は少しだけご飯を食べる気になりはした。
けれど、問題はそこじゃない。
『や…だ、ッ……だって、あんな触り方…っ』
「だからわざとだって。お前が特別恥ずかしがりで感じやすいってだけで、寧ろあのまま抱いてやらねえ方がキツいような事してんだよ」
普通ならもうちょっとしてからお預けにするところだが、お前はあれでも十分だったろ?
中也さんの声に目尻が熱くなってきた。
この人、全部分かっててお預けしてたんだ……私が大っ嫌いなお預け。
恥ずかしくて言い出せないの分かっててしてたんだ。
「それに、お前はそんな可愛い性格してっから気付きもしてねえだろうが……お前が余計に感じやすくなってきてんのも身体が反応しちまうのも、気持ちいいのを欲するようになってんのも、全部俺がそうしてっからだよ」
『!!ち、中也さんのせいって…!?』
「俺がもっとお前が可愛く感じちまうようになるよう、身体に教え込んでんだよ…お前の身体も学習能力が高ぇのか、すぐに開発されちまうがな」
ブワアッと顔が熱くなって、中也さんの肩に顔を埋めた。
よしよしと満足そうに頭を撫でられて、何も言えなくなる。
「一人じゃんな事考えもしねえだろうしな。俺が良くなるようにしてやるから、いつでも言ってきてくれて構わねえぞ。大概お前がして欲しくなるような時は俺か誰かがそうなるよう仕向けてる時だから」
『い、じわるっ、私我慢して……』
「知ってる。下着ちょっと濡れてた」
『!!!…ッ、気持ちいの、してっ……?』
「仰せのままに」