第11章 縁というもの
お風呂に白色の入浴剤を入れてから、タオルを使ったままお湯に入れてもらった。
髪は頭の上でまとめてお湯に付かないように、今日はそんなところまで中也さんがしてくれた。
恥ずかしい、中也さんがそんな風にしてくれてるのに、こんな事ばかり考えて。
言えない、言えるわけがない、ああいう事をしてほしいって………気持ちよくして、ほしいって。
膝を抱えて座っていると、中也さんが浴室に入る。
目を向けるのがなんだか怖くて目を背けていると、中也さんが先に洗い始めた。
シャワーが隣で使われてて、嫌でも中也さんを私に感じさせる。
そういえば中也さんの身体、見たのってここに戻ってきた日くらいだな、なんて考えてすぐにやめた。
中也さんの身体って本当に目に悪いから。
ドキドキしちゃってたまらなくなっちゃうから。
暫くしてからキュ、とシャワーが止められて、終わったのかと思っていれば中也さんは私に突然、とんでもない提案をする。
「蝶…折角入ったんだ、背中流してやろうか?」
『え、背中……って…?背中、流すって?』
「!お前知らねえのか?…タオル持ったままでいいから座ってみろ」
もう一つ中也さんが椅子を用意してくれたと思いきや、それは中也さんの前に用意される。
そこに、座る?
私が中也さんの前に、座る……?
『……!だ、だめっ、タオル持ってても意味無いじゃないそれ、!』
「いいから来てみろって、ご飯食べてくれた礼に背中流してやっから。一緒に入ったらこうすんのは鉄板だろ」
『せ、背中流すって何するの…っ?「え?洗う」洗……ッッ!!?』
久しぶりに受けたカルチャーショック。
に、日本って一緒にお風呂に入ったら背中を洗うって風習があるの!?無かったらそんな言葉に派生してないよね!?
『え、ッ…せ、なか洗うって……わ、私中也さんの背中洗ってな「大丈夫、女が洗われるもんなんだよこれは」そ、そうなんですかっ?に、日本ってたまによく分かんない…』
「とりあえず前に座ってみろって。ここなら能力使って座れば大丈夫だろ」
中也さんに言われて、なんとか能力で移動した。
背中に視線が刺さってる気がする。
中也さんに、見られてる。
身体を少し震わせながら足を内側に向けて、行き場をなくした手でタオルを強く握って羞恥に耐える。
『こ、これでいいんで……ッ』
言い切る前に突然シャワーをかけられた