第11章 縁というもの
『んにゃ……、れ?』
やけに寝心地のいい場所。
大好きな香りに包まれて目を覚ます…大好きな香り、それは中也さんの……____
『……お、布団…っ!?え、ここ家!?なんで家!!?』
ちゃんと中也さんの外套も着ていて、その上からいつものお布団が被せられていた。
いつもの布団、いつものベッド。
しかし私はポートマフィアの拠点にいたはずだ、いったい何がどうしてこうなっている。
すると、薄暗かった部屋に突如光が射し込んだ。
「蝶、起きたか!よかった起きてくれて」
少し嬉しそうな中也さんの声。
そちらを向くと、ラフな格好に衣服を緩めた中也さんが部屋に入ってきていた。
『ち、中也さん?私、なんで家に…?』
「首領のとこで寝ちまってて、もう仕事も残ってなかったから背負って帰ってきた」
『背負っ!!?』
「んな事はまあいい、時間は時間だが晩飯作ったとこだったんだよ。一応お前の分も作っといたんだが起きてくれてよかった、食うぞ」
そんな事ってなにそんな事って、乙女からしてみればそんな事なんかじゃないんですが。
何よもう、ご飯作ったとかこんな時間だとかって、今いったい何時で…
時計を見て一瞬固まった。
見間違いかと思ってもう一度時計を見てみるも、確かに短針は二と三の間を指している。
そして外は真っ暗。
……そうか、こんな時間か。
『こ、こんな時間…じゃないですよ!中也さん、今から晩御飯食べるんですか!?二時過ぎですよ二時過ぎ!!』
「食うに決まってんだろ、腹減んだろが。何言ってやがる?」
『わ、私流石にこの時間にご飯は……そ、その、太っちゃうなぁなんて「寧ろもうちょっと太って肉付けろお前は」え、太れって言うんですか、もしかして中也さんそっちの方が好「黙れ」ごめんなさい』
条件反射で謝った。
すると中也さんがずんずんとこちらに歩いてきて、スッとベッドに膝をつき、私の頬に手を当てる。
『ん……っ、ひぁ…ッ』
擽ったさに少し目を瞑ると、中也さんのもう片方の手がつつ、と胸元をなぞり始める。
服の上からだというのにゾクゾクする。
何回か胸の膨らみをなぞるように上へ下へと撫でられて、流石に何かおかしいなと思っていると、その手が突然、今度は腹部をなぞり始める。
流石にそこは下着もつけてなかったためか胸より敏感だったから、中也さんの手首を掴んだ。