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第10章 名前を呼んで


『え、っと…社長に話まで通して!?ていうかそんな、本当に大丈夫なんですか!?』

「大丈夫も何も、付けない方がよっぽど心配だよ!探偵社の方は普段の業務があって少数大勢だから人員も割けないだろうし、話をしたら寧ろお願いされたくらいだ」

しかしこちらも立て直しや仕事の都合もあるから、という首領の言葉に、やはり幹部格や各部隊のトップを出すのは今は避けたいところなのだと私にも伝わる。

「それで僕としてみたら、能力を隠したいっていう蝶ちゃんの事を考えると、仲もいいし立原君辺りがいいんじゃないかって___」

ガタガタガタッと椅子から崩れ落ちると、乱歩さんは冷静なままで、首領からは大丈夫かい!?と慌てられた。

『だ、大丈夫…です、けど……ッ、それ、本人に了承は?それに中也さんだってなんて言うか…』

「君の戦闘スタイルや心情を考えて、中原君の方が選んだ人選だよ。本人的にもそこが一番任せて安心らしいし、何より蝶ちゃんの事をマフィアの中でも深く知っている方だと聞いた」

『中也さんが…?た、確かに立原なら私も安心ですけどッ……でも、実力もあるし黒蜥蜴の十人長ですよ』

「黒蜥蜴に関しては広津さんと銀君で受け持つ事が出来るから心配いらない。それに今では樋口君もいい働きをしてくれているからね。君が安心なら、色々と考えてもやはり立原君がいいだろう」

乱歩さんの方に目を向けるとコクリと頷いて相槌をされて、乱歩さんでさえもが紐解けないこの事態に対処するべく、覚悟を決める。
大丈夫、立原が殺されることはない…殺されるような事がないのなら、今は能力を隠蔽する事が優先だ。

『……は、い…お願い、します。…あ、だけど立原本人の気が向かなさそうならまた別の人にお願いしてください』

首領の命令で私の護衛だなんてものを頼めない。
日中の時間を割いて私なんかに付き合うなんて事、どう考えたってストレスも溜まるだろうし、本人の自由が効かなくなってしまうのだから。

「そんなに心配しなくてもいいと思うけどね…まあ、分かった。強要するような言い方はせず、君や立原君の意思を尊重しよう。とりあえず明日……いや、今日君が歓迎会を終えてから、早速付けられるようにしておくよ」

中原君はお酒が入ってしまうからね

首領の苦笑いに私の方も苦笑いになって、お願いしますと返事した。
飲酒運転はさせられないしね。
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