• テキストサイズ

Replay

第3章 新しい仲間と新しい敵と…ⅰ


宿舎を出て新幹線に乗るまでの間、皆して私の服に突っ込みを入れてくる。
そしてやはり、ペアルック的な何かなのかと野次が入る。
そうだよね、私だってそう思ったくらいだし。

しかしあの鈍感モンスター中也さんがそんな事を意識して購入するとは思えない、ということで、たまたまということにしておいた。

首領含めるポートマフィアの皆も、帰りはちゃんと新幹線に乗れたようで、私達E組と同じ普通車で同じ車両に乗っている。
狙ったんだろうかこれは。

「白石さんは中也さんとこ行きたい?」

席に座る時に渚くんから出た言葉。

『そ、そりゃ一緒にいれたらいいなとは思うけど…折角の学校行事だし、皆と離れるのもなぁ』

素直にそう思った。
学校なんてところとは縁がなかった私にとって、友達というのは奇跡のような存在なのだ。

『でも行きと同じで人数余るし、私はまた通路挟んで先生達の方に行こうかな』

「そっか、それならいい具合に座れるね!」

カエデちゃんから意味深な発言が聞こえたと思って先生達の座席に目を向けると…なにやらイリーナ先生、烏間先生、殺せんせーが全員隣一列になって着席した様子。

そしてその向かいの座席三席に、窓側から首領、中也さんと座って…

「ほらほら蝶ちゃん!特等席だよ!」

『う、うん…!』

まさか先生達まで動いてくれるだなんて。
用意された席に座ると、まるで保護者付きの面談のような状態になってはいるが、首領や中也さんが先生達と色々話しているのを見ていたら、本当にそんな状態に見えてきた。

話を聞いていると、どうやらポートマフィアであるという事は隠しているようだ。
思いっきり首領って呼んじゃってるあたり、何かの組織だってところは察しがつけられてるだろうけど。

「もう本当に二人共お互いの事が大好きで…あ、見てるだけでも分かりますよね!そうそう、今蝶ちゃんが着てるこの服なんて、昨日蝶ちゃんが眠ってる隙に、制服が着れない状態だから帰り用にって中原君がわざわざ…」

「ちょ、何でバラしてんすか!!」

『ええ!?帰りの為だけにですか!!?』

首領の発言にびっくりして、中也さんと同時に首領の方を向く。
そしてすぐ様二人で顔を見合わせるも、数秒で恥ずかしくなって、これもまた同時に顔を背けた。

私はてっきりプレゼントとしてだと思っていたのに、帰りの為だけに買ってくれただなんて。
/ 2703ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp