第3章 新しい仲間と新しい敵と…ⅰ
俺の服…俺、中也さん……中也さんの服、着る…?
んん、!?
『え、あるんですか!?お借りしても大丈夫なんですかそれ!!』
着たい、物凄く着たい!でも恐れ多い!!
「ああ、さっきここ来る前に持ってきたし。」
しかも用意済みですか。
私を悶え殺したいんですか。
「じゃあ、ちょっと間出とくから着替えろ。終わったら呼んでくれ」
『ありがとう…ございます、』
立ち上がって、頭を二回ほどポン、と撫でられてから、振り向かずに出ていってしまった。
少しの間硬直していたものの、すぐに我にかえった。
あれで確信犯じゃないのが怖いわ。
気を取り直して中也さんから貸していただいた服に着替える。
しかしここで、私は見てしまった。
『……す、スカート?』
そう、スカートが紛れ込んでいる。
挙句、普段の中也さんの服装を連想させるような服なのにも関わらず、全てが見た目から分かるレベルで堂々とした女用なのだ。
相変わらずセンスがかなりいいのだが、これは中也さんから借りた服…なはずだよね?
色々と疑問点はあるが、取り敢えず着てみる。
着てみて再びびっくり。
なんということでしょう、驚く程のフィット感!
中也さんって、小柄といえども私よりはサイズが大きいはず…
膝より少しだけ上の丈のギャザースカートにニーソックス、上の服は中也さんのと色も形状もよく似てて、クロスタイの代わりにアンティーク調の装飾が付いているレディースネクタイとなっている。
……なんなんだこの溢れ出る中也さん感は。
ペアルックなんですか、これも私の思い違いだなんて言わないですよね…いや、中也さんのことだしそうだろうな。
『ち、中也さん?着替え…ました、』
「あ?おー………やっぱ似合ってんなぁ、買っといてよかった」
買っといて!?替え持ってきてたってさっき…
『じゃ、じゃあ中也さん、私に会ったときにここまでの事を予測して買ってきてくれたって事なんですか、!?』
「い、いや?こっち来てから買っただけだ…ま、まあそれで困んねぇだろ!なんならこれからも着てやってくれていいんだが」
『着ます!何回でも…死ぬまで着ます!!』
「それは無理があんじゃねえかな」
どの道私に買ってくれてただなんて…部屋着だけじゃなかったのか、今度また何かプレゼントしなきゃ。