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第9章 天からの贈り物


俺の発言にポカポカと背中を叩いてくる蝶。
弱々しすぎてマッサージにもならねえ。
こんなこいつが、どうしようもなく愛おしい…

「……で、どうなんだよ。この面接、どうせ手前らが蝶の事について知りたかっただけだろが?」

「ほう、蛞蝓の癖して馬鹿では無かったらしいね」

「誰が蛞蝓だ!!…ったく、つうかこんなもん俺に聞くまでもなくすぐ分かんだろが、こいつこんなに分かりやすいのに」

今度は背中を叩いていた手がピタリと止まって、怒ったように俺の腹に腕を回して締め付けてきた。

「あーもう分かった分かった、つか効かねえの分かってんだからんな怒んなって。怒ったところでお前可愛いだけなんだか……ッてえ!!?」

最終的に思いっきり下から頭突きを入れられてあえなく撃沈。
クソッ、流石に今のは効いた。

『ひ、ッ…人前でそんなのばっか!!』

「お、おい…お前さっきまで持病出てたんじゃねえのかよ……っ」

鼻を押さえて聞くと、探偵社の社員共は揃って持病?と首を傾げる。

『………っ、あんなの、演技だもん…』

じゃないとわがまま言えないじゃない、と顔を逸らす蝶に、俺も探偵社員共も顔を見合わせて口元を押さえる。
久しぶりだからか耐性弱まってやがる。

色々と耐性が弱まっているのは向こうも同じようで…というかこの反応から察するに、一緒にいたいと素直に言うのが相当恥ずかしかったんだろう。
別に恥ずかしがってても言われりゃ一緒にいてやんのに。

「それにしてもあんたら何歳差だい?その歳でこの年の差恋愛っつうのもまあ珍しいもんだろう」

探偵社の女医が話題を変える。
しかしこの言いぶりからしてみると、やはりそこまではまだ蝶は話せていないらしい。

実質どっちの方が歳上なのかなんざ、よく分からねえようなもんなのに。

「蝶と俺なら…七歳か?まあんなもん考えなくとも、こいつが六歳でも大歓迎だがな」

自信満々に言い切った途端に、多くの奴らから引いたような目をしてジトリと見られた。

太宰の野郎はよく理解しているからか腹を抱えて笑いこけてやがる。

「ただでさえ蝶ちゃんこんな可愛らしいですし…」

「もしかしてそういう趣味が…?」

「いや、まて手前ら、俺は別に幼女趣味があるわけじゃなくてだな」

『人の事勝手に幼女とか小さいとか……』

ここで嫌なオーラを感じ取った。
やべえ、地雷踏んだ
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