第8章 07
リ「コイツはすげえな…さん、おまえあの日の頭の傷も?」
驚く一同を置き去りにリボーンが第一声を口にした
『そうだよ、まぁ万能じゃねえ…だだ流しにしてきた血までは戻らねえから少しの間は安静にしてな』
さんはそう言ってディーノの傷のあった場所をペチンッと叩くと立ち上がった
『驚いたか?それとも得体のしれねえモンがおっかないか?気持ち悪ィか?なぁ、綱吉?』
惚けた顔でポカンと事の成り行きを見ていた綱吉にさんは少し困った様に声をかける
綱「どれでもないよ、さんちゃん…すごく綺麗だって思った!!」
綱吉は、声をかけられハッとした顔を一度見せる
考えより先に言葉が出た様なそんな答え方であった
綱「うわっ……俺、なんか今変なこと…
いや、何というかすごいよ!!うん、すごい!」
次はさんがポカンと綱吉を見る番だ
『あー、もしかして私の頭が堅かっただけか?はぁ…損した損した…』
さんは脱力した様に肩の力を緩めると右手をヒラヒラさせて何かを自己完結させた
『(気持ち悪がられたり、怖がられたり変な目で見られんじゃねえか…なんて。臆病者かねぇ…私は)』
そして誰にも気付かれない様にため息を吐き出し、わざとらしく伸びをする
ディ「何はともあれ、すまねえなさん。ありがとう」
今まで苦しそうに息をしていたのが嘘の様に治った腹部を撫でながらディーノはさんに礼を言う
『ンふ♪なんだいバカバカしい!水臭ぇコトは無しにしようや…あのなぁ、ディーノ…』ゴンッ!!!!
綱「ぇぇええええ!!?」
ニッコリと笑いながらディーノの肩に手を置き
『寝言ぶっこいてんじゃねえぞ!!金輪際こんな恩情はかけねぇからなぁ!?このドジっ子ディーノ!!助けたツケは必ず回収してやるから覚悟しとけよ!!助けて欲しけりゃ次は神様にでも頼むんだな!!』
とっておきのゲンコツを見舞った
ディ「ッでぇぇええ!!?命救われた相手に殺される!?」
『ったく…』