第8章 07
心底心配する綱吉の顔を見たさんは、深く深くため息を吐き出す
『頼むぜベイビーそんな顔すんなよ…わかったわかった、希代のマジシャンさん様に任せなさいな』
さんはそういうと、綱吉の頭をポンポンと撫でる
『特別に女の子の秘密を見せてやんだから光栄に思えよ?
ったく、そんな地球の終わりみたいな顔しやがって…』
さんはそう言うと、ナイフを抜いた後に止血用に抑えていたタオルをどかし傷口に手をかざした
獄「まさか気功治療って言うんじゃねえだろうな?出血止めねえとって時に遊んでる場合じゃ…」
リ「うるせーぞ獄寺、俺の元生徒はこんなんじゃ死なねえから安心して見てろ」
リボーンは止めに入ろうとする獄寺を一喝すると、さんの行動を真剣な眼差しで見つめる
ナイフを抜いたばかりの傷口は死ぬほどグロテスクかと思いきや、よく鍛えられたディーノの身体は脂肪が少なくグチャグチャというわけではなかった
とは言え、痛々しい等という甘っちょろいものではないだろう
綱吉はゴクリと生唾を飲み込んで傷をみる
リ「…ッ!!?」
獄「なぁッ……!?」
まるでそれはファンタジー映画の様
粒子の様な光がさんの手の周りからディーノの傷にかけて集まり、みるみるうちに傷が閉じていく
ディ「おいおい、どうなって!?」
逆再生の様で逆に気持ちが悪いと感じる者もいるかもしれない、さんがそんな事を考えている間にディーノの傷口は完全に塞がった