第7章 06
ディ「俺はディーノ、コイツらの上司だ。ウチの部下が悪かったな、美人なレディ。
言い訳みたいで好かねえけど、なんせアイツはまだ若い…イキがりたかったんだろうさ。
って、俺ァ道行くお嬢さんになんて話をしてるんだろうな。ハハハッ!!」
チャモと呼ばれた青年とさんからの事情をきいた金髪の美青年、ディーノは人懐っこい笑みをこぼしながら謝罪をする
『さっきのメガネのダンナといいアンタといい、見た目に似合わず紳士なんだな
あの男にぶつかっただけで奴に怪我はない、私も喚かれただけで実害はない。ただそれだけさ』
肩をすくめてお互い様だと口元を上げた
ディ「ったく、いつも住民は大事にしろとあれほど言ってるだろ?威張りちらす輩なんざ馬に蹴られて死ねってよ!」
先ほどの威勢は何処へやら小さくなってしまったチャモの肩に男友達がする様に軽く肩パンをしたディーノは悪態を吐く
『じゃあ、私はこれで。足止めして悪かったよロメオ』
これ以上この黒ずくめの集団に囲まれていたら、通報されかねないと判断したさんは背を向けて片手を上げるとディーノ達に別れを告げた
ディ「綺麗なレディ、せめてお名前を…」
背を向けたさんに、ディーノはまるで映画のひとコマをとってつけた様な台詞を吐く
『ハッ、クセェ…やめようぜ。ただの道行くレディだよ』
足を止め、上半身だけ振り返りディーノを目で捉えるといたずらっ子の様な顔でペロリと舌を出した
そして、諦めた様に肩をすくめるだけの返事をしたディーノにウインクをするとさんはまた彼らに背中を向けた
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