第7章 06
『はぁ、私は謝ったからな?』
年頃の少女が大人の男に胸ぐらを掴まれたら普通は怯えるだろう
が、さんは怯む様子もなくため息を吐き出した
「テメェ、態度変えてんじゃ…「おい!!チャモ!!テメェカタギさんに何やってんだ!!?」
そろそろさんも我慢の限界と拳を握り、反撃のひとつでもと考えていたその時
「あ…アニキ…」
同じように黒いスーツを着て眼鏡をかけた40手前くらいの背の高い男が止めに入った
「すみませんレディ、躾がなってませんで…怖い思いをさせてしまって。」
チャモと呼ばれた青年からさんを解放した男はヘラっと困った様に笑いながらもお辞儀をする
『あー、いや。私の不注意でぶつかったのが事の発端だし、あんたは何も悪くないだろ』
猫を被るのも面倒になったのか、何時もの調子に戻すさん
「ガキ!!ロマーリオのアニキになんつー口の利き方「チャモ!!黙ってろ!ボスがこの事知ったらテメェただじゃすまねえぞ!!」
なるほど相わかった、この方々は一般ピーポーではないようだ
?「おーい、俺のコーラまだかー?」
面倒な事になってしまいどうしたもんかとさんが悩み始めた時、またもや連れと思わしき人物が合流する
綺麗なバターブロンドの長髪に甘いマスク 絵本から出てきた王子様の様な見た目に似合わずBARACCAの文字や馬の派手な刺青が服の下から覗く
『世紀末ってのも笑い話じゃなくなってきやがったなぁ…』
乱暴に髪をかき上げ腰に手を当てて脱力するさんであった
何故ならば、その王子様風の色男の背後には50人近くのスーツ男が控えていたからである
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