第6章 05
雲雀とリボーンはまるでシンクロしたかの様に鼻から少し荒めの息を吐く
『疲れただけだ すぐ部屋に戻る…』
顔色を真っ青に悪くして 瞼を開くのさえ億劫そうな様子で よくそんな強がりが言えたモノだと
雲雀はそんなさんの腕を拾い上げる様に掴むと 無言で引きずりながら家へと上がり廊下を進んだ
無慈悲な雲雀の行動に文句も言わないさん
雲雀は彼女の部屋の扉を開けるとグッと腕を持ち上げ腰を支える様に立たせる
そのまま 放り出す様にベッドへ寝かせると背を向けその場を離れた
さんの部屋を出る間際 雲雀は首だけで振り返る
雲「勝ったの?」
ただ一言声をかける
『難しいな 手加減は…』
雲「ふンっ…くだらない」
質問の答えとは程遠い言葉
それでも雲雀はさんの言いたいことを汲み取れたのかそれ以上追求はせずに扉を閉じた
ポキポキと首を回しながらリビングへ向かうと 我が物顔でコーヒーをすする小さなヒットマン
リ「まっ、座っておめえも飲め…」
どちらが家主かなどこの2人にはさして気にするところではないのか リボーンに差し出されたコーヒーカップを片手に雲雀はソファに音を立てて腰掛けた
少しの沈黙
コーヒーをすする音だけが部屋に響くが どことなく似ている雲雀とリボーンはお互い無言であるこの空間が苦痛だとは思っていない
とは言えどちらかが話を切り出さなくては時間は動かないだろう
リ「アイツは…名無しさんは何者だ?」
唐突に 前触れもなく投げかけられた質問
先に口を開いたのはリボーンだった