第6章 05
雲雀の背中は今しがた重い音と共に閉まった玄関の扉に押し付けられ そのまま動くなと言わんばかりに雲雀の胸は足で押さえつけられる
一方リボーンは眉間に銃口を突きつけられていた
とは言え小さな体で自分をヒットマンと名乗るだけの事はある…リボーンもさんの眉間に銃口を向け、尚且つさんより先に撃鉄を起こしている
冷や汗を流し肩で息をするさんは目の前の2人を確認するとそのままふにゃりと力を抜いて玄関へへたり込んだ
雲「………」
胸元を無言で正しながら 雲雀は目の前に崩れる少女を見下ろした
トロトロと瞼を動かしていたさんはそのまま力尽きたとばかりに目を閉じた
リ「まるで手負いの猛獣だな…」
表情はさほど変わった様に見えないリボーンだが 確実にさんの行動には驚かされている
雲「…ちゃんと説明してくれるかい?」
普段 声色をあまり変化させない雲雀だがこの事態にはイラつきを隠せていない様だ
リ「説明するのはいいが怪我の治療が先だ…だいぶ動いてやがったからな 出血多量で血が足りてねえのか……」
リボーンは横たわるさんの頭に手を伸ばし出血の原因たる傷口を探す
痛みの少ない髪の毛も 今は血で固まりギシギシしていたが 今はそんな事は関係ない
無言で事の成り行きを見守る雲雀も 普段であれば無視を決め込みそそくさとリビングで一息つくであろう
それをしないのは 自分が一目置いている赤ん坊が普段見せない態度が興味深いからである…という考えを雲雀は自信の頭で言い聞かせていたが実際のところは自分でもわかっていない様子だ
だが そんなリボーンの手がパシッと無機質な音と共に傷口へ触れることを阻まれた
『私に…触るな……』
意識を飛ばしたと思っていたさんは目を閉じたままリボーンの好意を 優しさを否定した